言葉は常に世相を反映していて、
社会の中からぽんっ!と必要な言葉が生まれます。
そしてその言葉によって
みんながなんとなく捉えていた抽象概念が
具体化して、さらに世相を動かす。
言葉と世相は糾(あざな)える縄の如し。
2010~2012年頃なら
例えば「リア充」「アラサー」「草食系男子」。
草食系男子は登場当初は蔑称に近いものでしたが、
現在はむしろ「僕、草食系なんで」とか
「○○君は草食系だから仕方ないんじゃない?」と
元々の発案者の意図に近い、
ニュータイプの保護的な役割を
果たしていることが多いように感じます。
面白いのは、世相がどんなに必要としていても
必ずしも直ぐに新語が出現するわけではないことです。
誰かが使いやすいものを考えて、
しかもそれが拡散できるように
メディアに露出しなければいけない。
敏感に時代を感じ取って、
その折々の言葉を作って送り出そうとする人たちもいますが
実際にはほとんど運命のようなものでしょう。
もし言葉が生まれないまま時代が流れていくと、
その概念は人々の記憶に残りにくくなるのでしょう。
現代、2010年代の言葉が
どのように世相を反映しているかについては
また別の機会に考えてみたいと思います。
おまけ
今、まだ言葉にはなっていないけど
必要とされているのは、
例えば下記の2つのようなものでしょう。
『30代で未婚の女友だち』
結婚率がどんどん下がって、
今では独身の30代が珍しくなくなりました。
いわゆる女性コミュニティの中で生き抜くために
キャリアウーマンの謙遜から生まれた「負け犬」は、
言葉がきつすぎるのもありますが
既に男性も女性も30代未婚が社会的に
大きな勢力になりかけていたので
流行りませんでしたね。
30代の既婚女性が自分の未婚の友だちを紹介するときに
「○○ちゃんは□□だよ」と言ったり
30代未婚女性が自分の友だちの中で
既婚と未婚を分けるときに使う
シチュエーションは多いと思います。
もし「負け犬」がもっと可愛い言葉だったら、
草食系男子のように今でも使われていたと思います。
『介護職への転職』『介護職からの転職』
かつて「脱サラ」という言葉が流行し、
今では完全に日本語の単語として定着しています。
これは日本人のほとんどがサラリーマンだったので
何に転職するかより、何から転職するかという意味で
使われていました。
今は逆に、転職先として圧倒的に介護職が多いですから
この意味の言葉は必要だと思います。
これはとても難しいです…ぱっと思いつくのは
「ケア転」くらいでしょうか。
…流行りそうにないですね(笑)
介護職への転職が増えたものの、
やはりこの業界は無理だということで
さらに転職する人も多いようです。
業界に入る/出るで、
対になった言葉が必要かもしれません。