こんにちは
獣医師の佐藤ひろこです
 
先日、SNSを見ていたら
「いなくなったら寂しい」
「ペットロスが怖い」から
動物は飼わないという投稿をみました
 
患者さんと話していても
病気で治療中だったり
高齢犬で食欲が落ちたり
元気がなさそうだと
「この子がいなくなってしまったらどうしよう」
「辛すぎて泣けてきちゃう」と涙する方もみえます
 
インターネットを見ていると
ペットロスの克服方法や
ペットロスにならない方法といった情報が
多く出回っていますが
 
「ペットロス」とは
ペットを失った期間を指すのであって
決して心の病気ではありません
 
ペットが先にいなくなってしまう現実は悲しいものですが
その悲しみが心の病気になるとは限らないのです
 
普段の日常で死について深く考えることは少ないですよね
 
ただ、ある時突然病気になったり
検査で異常値が出たりすると
衝撃を受け一時的に脳が停止し
何も考えられなくなります
 
そして、時間が経過するに連れ
「昨日までなんともなかったのに急になんで?」とか
「これからどうしたらいいの?」
などその不安や悲しみが強くなります
 
そして愛犬がいなくなってしまった時
心にポカンと穴があいてしまい
何も考えれなくなります
 
その感情は誰にでも起こりうるもので
悲しくて当たり前、寂しくて当たり前なのです
 
ただ、その状態が長く続いてしまうと
心が弱ってしまうのです
 
愛犬がいなくなってしまったその悲しみや辛さを
「ありがとう」「楽しかった」「あなたに会えて幸せだった」
という気持ちに変えることが大切です
 
そのために
次のことをやってみましょう
 
①思い出をノートを書く
 
愛犬との思い出
・愛犬との出会いのエピソード
・愛犬の名前の由来
・愛犬の好きだったもの
・愛犬の性格
・愛犬にイタズラされた時のこと などなど
思い出を、軌跡をノートに書き
その時間を振り返ることで
感謝の気持ちを育てることができ
また自分自身の気持ちを整理することができます
 
『書く』という行動は
頭の中を整理し、感情のコントロールができるので
わたしはとても好きです
 
他者と共有する
 
家族や友人だけでなく
動物病院のスタッフやトリマーさん
トレーニング教室のトレーナーさんなど
愛犬と関わりのあった動物関係者と話を共有することで
家とは違う、愛犬の外での姿
あなたには見せなかった愛犬の表情なども聞くことができ
みんなに愛されていたんだなと思うと
悲しみよりも幸福感が増すのではないでしょうか
 
これはわたしも含め
動物関係の方々にも覚えててほしいこと
 
愛犬を失った飼い主さんの気持ちを共感することで
支えになり悲しみを乗り越える一助となるのです
 
 
さいごに
愛犬を失うことは非常に辛い経験ですが
その悲しみを感謝の気持ちに変えるための方法を見つけることが大切
 
思い出を記録し、共有することで
その過程を少しでも楽にすることができます
 
飼い主さんが感じる悲しみは自然なことであり
その気持ちを大切にすることが
ペットロスを乗り越える一歩となると思います