「ためしてガッテン」に触発されて―硬いところを緩めるのがリハビリ、ではない! | WillLaboのブログ

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WillLaboは、東京の両国にある、リハビリスタジオです。
運営しているのは、作業療法士の山田 稔です。
気軽に、ヒゲ先生とお呼び下さい。
靴専門の理学療法士中田 翔が「既成靴の調整」によって、戻りづらい身体を保つお手伝いも始めました。

昨日の「ためしてガッテン」、反響は大きいようですね。
脳卒中の麻痺に対する治療手段として、ボトックス注射や磁気治療が紹介されていました。

勿論これらの手段を否定するものではありませんが、あたかも硬くなってしまうことが6っヵ月後に起こり、それが障壁となって回復が遅れる、という内容に見て取れました(良く事情を知っていて、よく内容が理解できれば、必ずしもそう言っているわけではないことが分かりますが)。

硬くなってしまった麻痺手をボトックスや磁気治療で柔らかくすることで、リハビリが進められ回復に向かう、という内容には、やや違和感を覚えました。

確かに、片麻痺の方や変形性股関節症の方は、カラダや関節の硬さが目立ち、硬さが取れれば治ったように感じることは否定しませんが、硬さには意味があると、私は常々ここで書いています。

その硬さの意味とは、例えば、バランスを崩しそうだから、カラダを硬くしなければならない状況であったり、カラダの重さを地面に下ろすことが出来なくなるほど、痛みに対する逃避屈曲(手足に痛みを感じると、カラダにギュッと力が入るでしょう?あれのことです)が起こっていたり、痛みをこらえて足を地面につけなければならないから、我慢する力が各部を硬くしたり…。数え上げればきりがないくらい、“硬さ”には理由があるはずなのです。

その理由を考慮しないで、単純に硬いから柔らかくする、では何ら解決に向かうとは考えられません。

WillLaboでは、『パターンを崩す』という手段を使って、硬いところを和らげるだけでなく、より正常な筋肉の活動を同時に引き出そうと試みています。
筋肉は、全身の筋肉のつながりで働きます。そのつながりが硬くなるようなつながりになっていところを、そうではないつながりに替えるわけです。
長い間硬いカラダに、あるいは硬さの中で動く経験をされている方は、そのカラダの使い方がそもそも硬くなってしまうように動くことを学習しているからです。

硬さの原因を推察するとともに、より正常に近い筋肉の活動を引き出すつつ、硬くならないような関節の動きやカラダの使い方を再学習することを促すのが治療の目標ですし、その治療を通して、患者さんの生活がより良いものになることを応援するのがリハビリテーションの役割だ、と私は思うのです。

筋肉、と表現していますが、筋肉の活動や収縮の量、タイミングなどを調整しているのは、中枢神経系です。ですから、変形性股関節症のような整形疾患であれ脳卒中の片麻痺であれ、WillLaboはその方の脳が何を望んでいるのか、どう反応しようとしているのか、見極めながら治療を進める努力を怠りません。
その方の生活をよりよくできるのは、その方の選択によるからですし、選択は選択肢がなければ選べませんものね。選択できる余裕のあるカラダの状態と心を状態を提供したいと思っている、WillLaboでした。