本日、出張です。 | WillLaboのブログ

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WillLaboは、東京の両国にある、リハビリスタジオです。
運営しているのは、作業療法士の山田 稔です。
気軽に、ヒゲ先生とお呼び下さい。
靴専門の理学療法士中田 翔が「既成靴の調整」によって、戻りづらい身体を保つお手伝いも始めました。

本日は山梨に出張中です。

山梨には、以前勤めていた病院つながりの変形性股関節症の方々と、腕神経叢引き抜き損傷という末梢神経障害で、片方の腕が完全麻痺の方の往診治療をしております。

この、腕神経叢(わんしんけいそう、と読みます)引き抜き損傷というのは、頸椎から出ている腕につながっている神経の線維を何らかの要因で(多くは、オートバイ事故で急激に強く腕だけ引っ張られるなどの事故が多い)脊髄の神経から引き抜いてしまうことで起こります。
神経全部が引き抜けてしまうので、腕は完全にマヒしてしまいます。

完全にマヒした腕の何をリハビリするのか、というと、多くの患者さんでひどい痛みと末端部分の血行不良による拘縮が進みさらに痛みが増すという、痛ましい状態になることを防ぐために全身の管理を行っています。

この患者さんとは、もう10年を超えるお付き合いをさせていただいています。

担当当初から、気づいていたことなのですが、完全損傷(神経が完全に抜行けてしまっている、ということ)で完全麻痺、という診断が下っているのですが、どう見ても『随意性があるな』と見えてしまうのです。つまり、『あれ?動くぞ?!』ということです。
もちろん、神経を損傷していますから、筋力の低下が著しく、今すぐに随意性(自分の力で動かすこと)を発揮できるわけではありませんが、完全麻痺といわれているのに動くということは、完全麻痺ではなかった、ということ。画像診断には表れないが、神経は細くつながっているはずです。

ですから、私は、この方の随意性を信じています。事実、肘が自分の力で動かせる様になったり、肩で腕を少し上げることができるようになったりしています。やることは、全身的な管理に違いはないのですが、随意性が少しでもあるせいか痛みは随分と少なくなりました。血行不良も全くありません。手はきれいなものです。

痛みの管理は、昨日も書きましたがなかなか一筋縄ではいかない難しさがあります。こちらの、注意の払い方も単純に肩こりをほぐすようなわけにはいきません。息を詰めて、息を止めて、筋肉や関節と、目の前にいる方の全身と、気持と、渡り合います。

でも、苦労のしがいはあるものですね。

いまでは、その方、バリバリ仕事をこなす一人の父親、一人の夫に戻っているのです。

まったく、治療者冥利に尽きるというものです。人の幸福そうな笑顔が見られるのですから。

WillLaboは、今日も笑顔を見つけに走り回っています。