変形性股関節症―「すべてが股関節のせい、じゃないんじゃないかなあ」、という話 | WillLaboのブログ

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WillLaboは、東京の両国にある、リハビリスタジオです。
運営しているのは、作業療法士の山田 稔です。
気軽に、ヒゲ先生とお呼び下さい。
靴専門の理学療法士中田 翔が「既成靴の調整」によって、戻りづらい身体を保つお手伝いも始めました。

昨日の続きです。長く座っていると足が固くなってくる、に対する解決策を考える前に一緒に考えていきたいことがあります。その考え方を通すと、きっと解決策が見えてくると思っています。

何人かの方には、すでにお伝えしていることなのですが、人間だれしも、もともとの傾向や成育歴、生活環境の違いによって、それぞれが“くせ(癖)”をもっています。
その“くせ”は、例えば言葉の使い方であったり、何か事が起こった時の対応だったり、お金の使い方だったりetc、etc
そして、体の使い方や姿勢のとり方にもその方の“くせ”は、現れます。そのうちの一つが、姿勢保持筋という姿勢を保つために働く筋肉(たとえば、背骨の周りの筋肉、お腹周りの筋肉、骨盤周りの筋肉、最近はやりのインナーマッスル、など)、をあまり活発に使わない、業界用語(?)で、“エコなカラダ”といっている状態です。
特に、女性に多いように感じています。
勿論、これは女性が妊娠、出産という生物にとっての大切な役割を担っているからにほかなりません。
スポーツを積極的にやっていたとか、自分は大人しい性格だったとかも関係なさそうです。

男性と比べると女性は総じてパワーという点では少々弱いことはきっとご存知ですよね。
「なでしこJapan」が私たちに感動を与えてくれても、「Jリーガー」の試合と比べると、力強さでは「Jリーガー」の試合に圧倒されます。そういう意味です。

では、この姿勢保持筋が上手く働かない方の場合、どのように姿勢を保っているのでしょうか?

背骨の周りには、靭帯、という硬い構造物があり、筋肉が積極的に働かなくても直立姿勢を保つことは何とかできます。
でも、日常生活では直立を保つだけでは不十分ですよね。シンクで食器を洗ったり、洗濯物を洗濯機から出したり、シンクの下から鍋を取り出したり、トイレでお尻の後始末をしたりetcx、etc。
カラダって結構グニャグニャと自由に動かないと不便この上ありません。
ということは、いわゆる中腰の姿勢で手を自由に必要なところに延ばして作業するための姿勢保持、というのもあるのです。
で、中腰が苦手な方はどうするかというと、極端に背中を丸めたり、逆に背中を反り返らせて股関節や膝だけで動いたり、といった、背骨周りやお腹周りの筋肉をできるだけ使わないような動き方をされているように見ています。


さて、股関節症の方の場合はどうか、というと身体の使い方(つまり、姿勢保持筋の使い方)がうまく機能していない方が多くお出でになるなあ、と実感しています。
そのような方々が、単に座る姿勢を保持するとき、かなりカラダをよじって姿勢を保持されています。
多くの方が、座っているとき(立っている時も)背の高さが縮んでいるように見えるのですが、この時、姿勢の状態は、左右の肋骨の下あたりで左へ向かって、カラダをねじるように、つぶしているのです(ちょうど、ペットボトルのコマーシャルで、ペットボトルをねじってつぶすような感じです)。
どうでしょうか?このようにすると、背中は丸くなり、カラダは縮こんで見ますが、ちょっと見は楽に座っているようです。リラックスしているように見えます。

しかし、この状態を長く続けると、実はお尻周りにストレスが溜まります。
カラダを左にねじっているので、否応なく体重は左側の股関節の後ろの方にかかって、左側のお尻の皮膚をゆがませながら、股関節の外側によりかかるようになるので、股関節の外側がグンッと突っ張っていることが分かっていただけますか?

こういう状況では、股関節の外側に痛みが出ても不思議ではありません。また、この時、体重はどちらかというと後ろに偏っていますから、カラダを前に起こすためには、股関節の前面のところで、強く骨盤と足の付け根を引っ張り合いさせてカラダを起こしているようです。

そこで、多くの方が『長く座っていると、足が固まっちゃう』と訴える結果になっていると考えています。固まってしまうように感じる部分は様々あるようですが、このような座り方がすべての原因であるとすると、座り方を変える必要がありますよね。
ですから、股関節の故障からだけ、皆さんのカラダの不都合が起こっているわけではなく、もともとのカラダの傾向がそこに拍車をかけていることもある、ということはどうかご理解いただきたいなあ、と思っています。

姿勢保持筋の働きを改善するためにの自主トレは用意してありますが、これはできたら写真付きでお伝えしたいと思いますので、少々お待ち下さい。

長々とお付き合いありがとうございました。
一度、治療を始めると、結果が出るまでは手が離せないのと同じように、一度書き始めるきちんと書かないと気が済まない、WillLaboでした。