イオン:傘下ドラッグストア4社を経営統合へ 国内首位に イオンは22日、ウエルシアホールディングス(HD)など傘下のドラッグストア4社を2015年9月までに経営統合すると発表した。4社の売上高は単純合算で5132億円となり、マツモトキヨシHD(4953億円)を抜いて国内首位となる。イオンは総合スーパーや食品スーパーでもグループ内再編を進めており、総合流通業で最大のライバルであるセブン&アイ・HDに劣る収益力の強化を図りたい考えだ。 「ドラッグストア事業をウエルシアに一本化し、日本一を目指す。新しいビジネスの柱を確立したい」。イオンの岡田元也社長は22日、東京都内で開いた記者会見で経営統合の意義を強調した。 イオンは23日からウエルシアの株式の公開買い付け(TOB)を実施し、保有比率を現在の37.4%から50.1%に引き上げて連結子会社化する。その後、ウエルシアが15年3月にタキヤ(兵庫県尼崎市)とシミズ薬品(京都市)、同9月に「ハックドラッグ」を運営するCFSコーポレーションをそれぞれ株式交換で完全子会社化する計画だ。店舗数は計約1400となる。 ドラッグストアは、医師の処方箋に基づいて薬を提供する調剤薬局機能の拡大や、食品、日用品など品ぞろえの拡充、深夜営業化などで成長を続けている。日本チェーンドラッグストア協会によると、13年度の市場規模は前年度比1.2%増の6兆97億円。高齢化の進展などでイオンは「20年には8兆円に拡大する」(岡田社長)とみており、経営統合によって商品の共同仕入れや効率的な物流網の構築、都市型小型店の開発などを図る構えだ。 総合流通業としてのイオンの最大の課題は収益力の低さだ。14年2月期の連結売上高は6兆3951億円でセブン&アイを7600億円上回ったが、本業のもうけを示す営業利益は1714億円と、セブン&アイ(3396億円)の半分強に過ぎない。イオンはその要因の一つが、非効率なグループ内の組織にあるとみており、再編を加速。主力の総合スーパーでは来年1月にダイエーを完全子会社化するほか、マルエツ(東京都豊島区)とマックスバリュ関東(江東区)、カスミ(茨城県つくば市)の食品スーパー3社を来年3月までに経営統合する。
