森山直太朗さんの『夏の終わり』という歌が好きだ。
夏の陽射しで備蓄されたコンクリートの熱が、少しずつ薄くなってくる頃、必ず聴きたくなる。
今までは、まさに文字通り、季節の夏をうたった曲だと思っていたが、戦争の終わりを表現したものだということを知った。
最近のテレビ、新聞、ネット、色んなところで、政府与党が進めようとしている法案の話題が取り上げられている。
この法案がどういうものなのか。
私達にどんな変化をもたらすのか。
良いことなのか、悪きことなのかの前に、強行採決という判断は、すごく悲しい思いがした。
うちの祖父母は、戦争体験者。祖父は徴兵制度で数ヶ月戦地にいたが、視力が悪いという理由で、帰還した。戦地に残った仲間は沖縄へ行き、全員帰らぬ人となった。
祖母は、こう言う。若い兵隊さんは最後に「天皇陛下万歳」ではなく、「お母さん」と叫んだんだと。幼き頃にその話を聞いた私は、何となくだか、戦争というものの不条理を感じた。
そして、なぜ戦わなくてはならないのか、そう思ったのを覚えている。
その素直な疑問には、正しい答えなんてない。
ただ、悲しみを繰り返し人間は生きてきた。日本は生きてきた。
「夏の終わりには ただあなたに会いたくなるの いつかと同じ風吹きぬけるから」
誰かを思い出すとき、やわらかな穏やかな風であってほしい。
ただ、そう願う。