原価が高いから売価を高くするとか、原価が安いから売価を安くするという考え方では、真っ当なビジネはできません。市場にマッチした価格設定にしなければ、商品は思った通りには売れないということです。それは厳しいと感じるかもしれませんが、逆に魅力ある商品なら十分利益を得て良いのです。
また、顧客の多様なニーズに応える為には、商品のバラエティも必要になります。一方、原価を下げる為には、バラエティはできるだけ少なくしたいものです。
これまで私の担当してきた商品の多くは、高級、中級、普及と仕様性能に差をつけて、顧客の懐具合と、競合との関係で、売り分けられる商品企画としていました。
但し、基本的にプラットホーム(システムの基盤)は共通なので、原価に大きな差がある訳ではありません。従って、高額で売れる高級型は利益率が高いのですが、競合により価格を下げさせられる普及型は利益率が低くなります。
そこで、普及型や中級型には、後で高級型の機能を追加できるアップグレードキットを商品として販売し、利益率を挽回できる戦略としました。これは、予算で購入する顧客にとってもメリットがあります。今年度予算では、普及型しか購入できない顧客が、次年度予算で高級型にアップグレードできる可能性がある訳です。
高級型でも普及型でも中身を同じに製造し、中級型は出荷する前に仕様を落とす仕掛け、更に普及型には、仕様を落とす仕掛けをして、商品としての差を設け、それを元に戻すキットが、アップグレードキットとなります。ほとんど原価はゼロのようなもので、とても利益率の高いアップグレードキットが商品となる訳です。
高級型に搭載されている機能の素晴らしさを、中級型、普及型を購入した顧客をターゲットに、プロモーションすることがサービスマンの仕事になります。アップグレードキットの販売には、営業の手を使わなくて良いのです。
