ある中学校の進路説明会・保護者会の話。
大々的に中3の保護者を集めて、県立高校の入試のしくみについて説明する会が開かれたそうです。
冒頭、校長先生から
「子供たちはがんばっていますよ~応援してあげてください~」
という定番のお話。
その後、入試の責任者の先生から県立高校入試のしくみについて説明があったそうです。
公立の中学校ですから、色々な学力ゾーンの生徒が存在します。
調査書の各学年の比率も、定番の1:1:3や1:1:2だけじゃなくって様々。
他にも実技検査や面接を必要とする学校もありますから、説明するのにも一苦労だと思います。
上記の内容の説明を、なんと10分でされたそうです。
僕、先日の進路説明会@ウィルでこの話を1時間弱かかってお話したんですよ。
どうやってお話されたのか大変気になりました。。。
その説明?の後は会場を替えて、保護者4~5名のグループにわかれて情報交換会をしたそうです。
ここで「?」が浮かんだ方は、まさに「その」通り。
情報交換をするということは、見学に行った学校の話や、様々な基準等を共有するということになります。
「見学に行った学校」ということは、自分の子が受験する可能性のある所なわけですから、志望校や学力ゾーンなど個人情報をバンバンに公開せねばいけない訳です。
これを学校側がやれというわけですから、開いた口がふさがりません。
幸いにもこの話をしてくれた保護者さんのグループは、
「さっきの○○先生の話ってどういうこと?全然わからないんだけど・・・」
で持ち切りだったらしく、事前にウィルの進路説明会で内容の分かっているこの方は、その辺りの話しをグループのメンバーに説明するのに留められたそうです。
埼玉県は、偏差値による輪切りの進路指導ではなく、各ご家庭が目指す価値のある学校を見付けていくために、中学校での進路指導に制限をしています。
この形式になって、もうかなりの年数(20年以上)がたちます。
中学校の先生の現場で進路指導が、「詳細にはやらなくてよくなった仕事」が「やらなくていいなら適当でもいい仕事」に成り下がっている。
そんな風にまざまざと思わせられた出来事でした。
この保護者会のために仕事を休んでこられた方もいたはずです。
形式的な会ではなく、多少なりとも価値のあるものを提供して欲しかったですよね。
そして、いずれまた中学校での進路指導が再開されるようになったのなら、今度はまた別の大きな問題が沸き起こりそうですね。
中学校に限らず、学校現場は人手も資材も足らずいろいろとひっ迫した状態なのは承知の上。
だからこそ、これからの学校現場を担う若手に正しい指導を具体的に行える環境が必要なのは明白ですね。
では。