毎年、およそ90校の私立高校にお話を伺いに行っているのですが、昨年あたりから徐々に二極化してきているように感じることが2つあります。

 

1つ目が、大学受験に対する考え方。

 

年内入試と呼ばれる『推薦入試(総合型選抜と学校推薦型選抜)』を狙いに行く私学と、あくまで『一般入試(一般選抜)』を狙いに行く私学です。

 

まず今、日本の大学入試は少子化のあおりを受けて、5割以上が推薦入試になっています。〔引用:リセマム

 

 

ただこれ、騙されてはいけません。そもそも日本の大学のおよそ8割が私立大学ですから割合が跳ね上がっているだけです。例えば国公立大学は今も一般選抜が大半です。〔引用:朝日新聞

 

 

なぜ私立大学だけこうなっているかというと、2024年時点で、私立大学の6割がすでに定員割れの状態だからです。〔引用:Newsweek 日本版

 

逆を言えば、国公立大学(概ね上位大学ほど一般の割合が上がる)と、定員割れなど考える必要のない上位の有名私立大学は今も一般選抜が多数派。早稲田も慶應も、何十年も前からある指定校と付属校からの内部推薦を除けば、今もほとんどが一般選抜です。〔早稲田も慶應も一般入試が約6割、付属校や指定校推薦が約3割。その他の推薦はわずか数%。

 

青:一般選抜 赤:指定校推薦 ピンク:付属校からの内部推薦 『プレジデントFamily2025春号』より引用〕

 

 

まとめます。

 

日本の大学のおよそ8割にあたる私立大学、その多くはいまや、筆記重視の一般選抜ではなく、他の能力(小論文や面接、検定など)で勝負できるようになっている。もちろんその中には、教育力に定評がある大学だったり、研究力が高いのに地方ゆえに人気のない大学など、すばらしい大学も少なくない。

 

一般選抜が入試の大半を占めるのは、私立大学ではごく僅かの難関大学と、上位の国公立大学くらい。

 

さて、この状況を受けて私学はどうするのか。

 

時間は有限ですから、進学先を求められる私学としては、限られた時間をどう振り分けていくのかを選択しなければなりません。

 

新たな入試となる総合型選抜と学校推薦型選抜に向けての指導に時間を割くか、あくまで一般選抜に向けての指導に時間を割くか。

 

どちらかに力点を置けば、もう片方は必ず軽くなります。そのどちらにも力を入れている、なんてことはあり得ませんから、私たちとしては、ここはしっかり見極めていく必要があります。

 

長くなりましたので、二極化の2つ目は明日に。

 

 

※ ちなみに、総合型選抜と学校推薦型選抜についてはこのサイトがわかりやすいです。〔引用:株式会社 進路企画