今日は合格発表の日です。
受験は一発勝負。人によっては、その日の心の状態によってかなりの揺れが出て、うまくいかなかった生徒もいます。
過去の生徒の中には、字が汚かったゆえにかなりの30点近くの減点を受けてしまい、不合格になってしまった生徒もいます。
結果が出てからじゃあ、どうしたって言い訳、慰め、そんな風に捉えてしまうかもしれない。
だから今、ここに書いておきますね。
我々大人には、憲法により三つの義務が課されています。
まず1つ目は「勤労の義務 」。次に「納税の義務」。 そして最後が「子どもに普通教育を受けさせる義務」です。
一方で、子どもたちにあるのは「教育を受ける権利」です。権利とは、ある物事をしてよい、またはしないでよいという資格のこと。子どもは大人から育ててもらう権利を有しています。
教育を受ける、育ててもらうには、ただ教えてもらうだけでは足りません。
子ども自身がたくさんトライして、たくさん失敗して、そこからたくさん学んで、たくさんクリアしていく、そのすべてを、大人から、認めて、任され、励まされ、応援してもらわなければ、子どもは安心して健やかに育つことができません。
義務教育期間の子どもたちには、教育を受ける権利がある。これは言い換えるなら、失敗する権利があるとも言えます。
失敗を許し、励まし、そこから学び、成長することが許されていなければなりません。
昨日、ある卒業生が報告に来てくれました。
数字上なら合格する可能性の方が高い受験に、不合格になってしまった生徒でしたので、ずっと私の心にトゲとして刺さっていました。
「東京理科大学の薬学部に決まりました。」
彼が第一志望にし、不合格になってしまった県立高校からでは、ほとんど受からないような大学への合格。彼の言葉を聞くなり、思わず抱きしめてしまいました。
「あの時、落ちて良かったです」
満面の笑顔で語るその姿。
保護者の方が、失敗を許し、励まし、そこから学ぶことを求め、応援したからこその、この笑顔です。
おめでとう。
キミの笑顔を見て、ぽろっとトゲが落ちたように思います。
前半、偉そうに書いたけど、あの時はとてもそんな風には思えなかった。笑顔の報告、ありがとう。