「勉強って楽しいものなんですね!」

 

昨年も幾人かの生徒たちから耳にした言葉です。これに気づいてくれたら、もう卒業。僕の手から離れて遠くへ羽ばたいていってほしい。

 

そうです。勉強って楽しいものなんですよ。

 

「え⁉︎ そうなの?すげぇ!」ってなって、できなかったことができるようになっていく。見えなかったことが見えるようになっていくんですから。

 

このことに、1人でも多くの子どもたちに気づいてもらいたい。

 

そのためにはまず、すでにセットされている勉強に対するマインドを再構築していく必要があります。

 

具体的には、勝ち負け、成功失敗、できたかできないか、という考え方をやめさせる。

 

成功しないと意味がない。勝たないと喜べない。そのマインドセットでは、成功しそうなものから選ぶようになるのも当然でしょう。そこに楽しむ余裕なんてありません。

 

だって、成功は約束されないですからね。相手がある以上、どんなに頑張っても勝てるかどうかはやってみないとわからない。

 

定期テストの目標点数80点!なんて宣言するような子どもは、まさにこれに囚われています。80点を超えれば勝ち、超えなければ負け。そういうマインドセットにいる証左です。

 

一方、学びは変化。学びは成長。より変化すること、より良くなることを、学びの目的にしている子どもは、そうは考えません。

 

目標点数は当然100点です

 

前述の成功とは違い、成長は約束されています。やれば必ず何かは得られるからです。

 

彼らは100点を目指して準備します。そりゃあ、100点にはそうそうなりません。でもいいんです。届いていないところが課題となり、試験後、その課題を一つ一つクリアするごとにレベルアップしていきますから。

 

そもそも選抜試験以外は、成長のための機会であって、それ以上でもそれ以下でもないんです。

 

にもかかわらず、80点に行くか行かないかで考える子どものマインドでは、超えれば勝ちです。ゆえに超えたら達成、間違った20点分の課題になんて目を向けません。

 

学びを楽しむ、知るを楽しむ子どもに育てるためには、

 

「勝ち負けなんてどうでもいい。僕らが望むのはキミたちの成長であり、変化です。」

 

我々大人がそういった立場をブレることなく見せていくことです。

 

そうすると、子どもたちの評価のモノサシはいつしか、勝利や成功から、変化や成長に変わっていきます。

 

評価のマインドセットを「勝ち負け」「成功失敗」「できるできない」から変える。

 

学びを楽しむための、第一ステップです。

 

 

追記

 

教育の目的は、より良くすること。よって誰かとの比較ではないですし、期限はもちろんのこと、終わりもありません。

テストの目的は、順位をつけること。よって常に誰かとの比較、評価があって、期限も設定されています。

 

この2つはまったく別のものです。

 

こんな我々にとっては当たり前過ぎることでも、子どもたちは混同してしまうんですよね。

このことが、勉強を楽しくないものに変えてしまう要因です。

 

誰だって、知らないことを知れたら嬉しいじゃないですか。

できなかったことが、できたら嬉しいじゃないですか。

 

だから学びは本来、嬉しいもので、楽しいものですよ。