器で困ったことのない人は、無駄なく注ぎ込むにはどうしたらよいかとか、短時間で多くの量を流し込むにはどうしたらよいか、というようなことに目が向きがちです。
どんなにうまく注ぎ込んでも、器以上には入らないのですから、まずは器が広がるような指導をすべきだと考えて20年。
小学生から任せてもらえれば、たいていの生徒は県内上位20%以上には行かせられるようになりました。
さて、「器を広げる指導」のパート1が前回の「目的と手段を分けて考える」だとすれば、パート2は「言葉の意味を一致させる」です。
抽象的な言葉であればあるほどに、子どもはその言葉の意味を正しく知っていないケースがよくあります。
しかしながら、発した側も、受けた側も、そんな言葉は当然に知っていると、言葉の意味は一致していると思い込んでいますから、意外とそこに気がつけない。
このことが問題を大きくしていたりするものです。
たとえば、「ちゃんと」という言葉。
先生:今日の単語テスト、ちゃんと準備してきた?
生徒:もちろんですよ。ちゃんとやってきてあります![]()
テストをしてみると、10点満点中2点・・・。
よくよくその生徒に聞いてみたら、彼の「ちゃんと」とは、『今日の単語テストのことを忘れずに目を通してきた』という意味でした。
たとえば、「わかる」という言葉。
この言葉ほど、生徒一人一人で意味の異なる言葉はないかもしれません。
「聞いた」って意味で、「わかった」を使っている生徒も決して少なくないです。
この「わかる」の意味を知るだけでも、器は倍くらいの大きさに広がると思っています。
(だからこそ、この言葉の意味については、ムチャクチャ丁寧にやります)
もっと具体性の高い言葉で、極めて頻度の高い言葉であっても意外に一致していないのです。
たとえば、私が毎年生徒たちにその意味を聞くようにしている言葉に、「反省」があります。
「反省しなさい。」を聞いたり、言われたりしたことがない、なんて人は少ないですよね。
でもこの言葉、クラス15人ほどに聞いて、全員が一致したこと、過去一度もないんです。
よくある回答が、「落ち込むこと」とか、「傷つくこと」みたいな感じですね。
修正する、改めるというところまで至っていないところは残念ですが、まあ、ネガティヴなイメージなだけまだマシです。
驚くべきは、ポジティヴワードだと思っている生徒がちらほらいること。
「がんばろう!応援してるよ」っていう意味だという生徒がいました。
確かに親が子どもに「やってしまったことは仕方がないけど、しっかり反省しないとダメだよ」という言葉には、応援の気持ちは入っていますけどね。
ちなみに、過去一番のびっくり回答は、自信たっぷりに「明るく前を向いていけ!」って意味ですって答えた生徒。
落ち込みもしないし、振り返って修正する気もないようです。
言葉の不一致は、不幸です。
がんばって伝えているのに、なぜわかってくれないんだろう。という親。
言われたようにがんばってやったのに、なぜ認めてくれないんだろう。という子ども。
互いに相手のことを大切に思って頑張っているのに。なぜ?
解決法は単純なことだったりするかもしれません。
「反省」
1 自分のしてきた言動をかえりみて、その可否を改めて考えること。
2 自分のよくなかった点を認めて、改めようと考えること。