中2の半ばだったでしょうか。キャンセル待ちで入塾したある生徒の話です。

 
偏差値は40ないくらい。学校のテストも惨憺たるものでした。
 
さすがにウィルでやっていくのは厳しいなと思い、うちに入塾するのはやめた方がいいよと伝えたところ、それでもその生徒、「これからは言うことを聞いてちゃんとやりますから」と涙ながらに食い下がります。
 
その心意気に胸を打たれまして、であるならこちらも全力で応じますと、入塾することになりました。
 
入塾してからというもの、彼はほぼ毎日来ては指示をもらって勉強しました。それはもう大したものです。
 
とはいえ、それでも目に見えるほどの成果などそうそう出てくるものではありません。
 
本人としては、元を1とするなら5くらい、5倍はやっている。それなのになぜ?オレってやってもダメなのかな。なんて思っていたかもしれません。
 
でも、元がないところからの追い上げです。多くの時間は過去を学び直すことに費やしているわけですから、今の成果に結びついていかないのは当然なことです。
 
ここからが別れ道。
 
頑張っても結果が目に見えない。…もうやめちゃおうかな?と思う気持ちを超えられるかどうか。
 
彼は超えました。それから1年、周りからもアイツは凄いと言われるまでやり続けた結果、偏差値は20近く上がりました。
 
わずか1年で!なんていとも簡単そうに言う人は、あの状態から1年辛抱する辛さと凄さをわかってないです。
 
そりゃあもう凄かった。
 
そうなると段々と夢や目標が浮かんでくるようになります。不思議なものですよね。
 
「大学に行って農学をやりたい。」
 
「では、東京農大とかはどうかな?やはりある程度のレベルの大学に行かなければそれなりの内容や環境は得られないよ。そのためには、せめて所沢高校くらいは行かないといけない。」
 
ということで、彼は所沢高校へ向かって邁進しました、が、やはり中1中2の頃の内申分まではあと少しのところで届かず、悔しそうにその下のレベル、朝霞高校へと進学することになりました。
 
『せっかく身についたこのペースを崩すのはめちゃくちゃもったいない』という、毎年卒塾式で伝えている僕のアドバイスを大切に、このままのペースで高校も頑張る!と約束して。
 
↑これ、いいCMですよね。
 
 
先月、その生徒が来てくれたんです。大学、合格しましたという報告のために。
 
東京農大レベルまで行けただろうか?いや、今は首都圏私大は難化しているしな…なんて思いながらも、ドキドキしながら彼の口が動くのを待ちます。
 
「受けたところ全部受かったんで、農学部の最高峰、明治大学の農学部も受かったんですけど、上智の理工学部に進学することにしました。迷ったんですがネームバリューに負けました(笑)。」
 
目ん玉飛び出るくらいに驚きました。しばらく言葉が出なかったくらい。他に東京理科大などもすべて受かったというのでまぐれなんかじゃない。
 
「むしろ、理工系でもいいんなら早慶は受けなかったの?」という僕の問いに、「さすがにそこまで受かると思えなかったんですよ。受けときゃよかったですよね」と頭を掻きます。
 
受験だけじゃないですが、もっとも評価すべきは結果じゃなくて、生き様だと思います。
 
目標に向かって、計画を立て、誘惑に負けず、横着せずに、助言を信じて、自分を信じて、一つ一つをやり切る。
 
生き様が美しい人をを育てることが教育の一番の目的だと信じています。