#4 確かめたい。
「それがおじさんの願い?」
ふいに少年がまるで俺の心を見透かしたように、
下のほうから俺を見上げてそう囁いた。
何故だろう。心なんて読めるはずもないのに。
「そうだな。」と頷いてしまったのは。
「コータさんとケースケさんは思い合ってるんだね。」
そういうと少年はいきなり踵を返して走りだした。
小さな紙切れをその場に残して。
これが俺に渡したかったものだろうか。
だがー。どうしてコータと俺の名前を知っていたんだろう。
それこそ本当にコータに会っていたから?
本当にサンタクロースで、俺の心が読めたんだろうか?
有り得るはずがない頭では分かってるのに、
ちゃんと少年が何なのか自分の手で目で確かめたくて。
もしかしたら信じたくて。
小さな紙を拾い上げると、読むことよりもまず少年が走り出したほうへと体が動き始めていた。
そのまま店のフロアーを突き抜けて、先をゆく少年の背中を追いかけて
階段を上り詰めていく。
この先は屋上になっている。
つまり行き止まりと一緒だ。
それこそトナカイを待たせてあの少年がソリで飛び降りる勇気でもない限りー。