俺の居場所なんてねぇつーの
ツレが物件を探しまくっている。
けれども、探しても探しても自分の店にたどり着かない。
最近では探すという行為自体に飽きたらしい。
なにかプライベートでもくじけている様子。
気のせい気のせい、いつもの勘違い気の迷いだって。
と、励ますもやはりすぐには復活してこない。
あるよあるよそれ。
心が弱っていると目に飛びこむ現実は容赦がない。
考えれば考えるほど世間が狂気じみて見えたりもする。
人の言葉のどこかに毒が潜んでいないかと警戒する。
町を歩いても目に映る物体が記号くらいにしか見えない。
状況突破なんて考えはもちろん浮かば ない。
まるで食物連鎖の攻防だ。 決まって自分は底辺にいる。
なんか、「おおー!」 とかって大声をあげるようなことでもあったら気分も変わるのに。
けど、いつかは復活するでしょう。
人はアップ・スーンを繰して大人になる。
そうプログラミングされている生き物なのだ。
神様ってほんと天才肌のドエスな脚本家だ。
バイクをバックで車庫に入れていて、サイドスタンドでくるぶしをいやというほど打ちつけた。
たまらず暗くなった庭をかけまわる。口をぱくぱくしながら。
空には弧を描いた三日月。
ぼくはしゃがみ込み、足をふーふーした。
これも、彼の脚本どおりなの だろう か?



