(報道ステーション 3月11日)
「震災から5年」と言われる今年の3月11日、報道ステーションは40分を超える大型特集を放送した。
「福島で多発する子どもの甲状腺がんと原発事故による被ばくの関係」
番組中、努めて冷静に話をすすめた古館伊知郎、しかし、その顔には、「これだけは絶対やる」という使命感で溢れていた。
充実した報道内容と共に、これを放送までこぎつけた古館伊知郎他、多くの番組スタッフと関係者に敬意と感謝を表したい。
■ コメントしない厚労大臣
番組冒頭、まずは、恐るべき発言が紹介された。
福島県で116名もの子どもの甲状腺がん(確定)が見つかった事について、報道ステーションの記者が厚労大臣の塩崎恭久に見解を求めた。
(報道ステーション 3月11日)
「福島県における、放射線による健康被害、健康影響の問題については、環境省の所管でございますので、厚労省としてコメントする立場にはないと思います。」
… はぁぁぁぁぁ???
子どもの甲状腺がんを平気で切り捨てる塩崎恭久、これこそまさに「棄民」、国民をゴミのように捨てる安倍政権の姿だ。
■ 甲状腺がん患者とその家族の実態
では、その116名の患者たちはどうなっているのか。
(報道ステーション 3月11日)
今から3年前、甲状腺がんと診断され、摘出手術を受けた18歳の少女。
首元の傷跡が痛々しい。この手術跡をウクライナでは「チェルノブイリ・ネックレス」と呼ぶ。福島の子どもの傷跡を写した映像、僕は始めて見た。これを放送するのに、相当の圧力があったのではないだろうか。
「甲状腺がんは命にかかわる病気ではない」
今まで、そんなプロパガンダを何回聞いたことだろう。
しかし甲状腺がんと診断され、甲状腺の摘出手術を受けた後は、この傷跡と共に、一生涯ホルモン薬を飲み続けなければならない。この少女も、術後の体調が芳しくなく、未だ社会復帰できないでいる。
(報道ステーション 3月11日)
番組はさらに、この少女とは別の、甲状腺がんと診断された子どもを持つ3人に親にインタビューをする。
「原発事故との関連性はあるんですか?」
「原発とは関係ございません。」
なぜ医師がそこまで断言できるのか…?
親たちは「医師とコミュニケーションが取れない」「セカンド・オピニオンの受け方が分からない」と訴える。
地方で生活する被害者とその家族、話を大きくしたくないと、周囲には知らせていないのだそうだ。莫大な疑問、将来への不安、一体どれだけの負担を抱えてきたのか…。
これが甲状腺がん患者とその家族の実態。
こうした弱者の声を拾い上げ、世に問う事こそが報道の使命だ。
安倍晋三からの圧力や、手下のクズ団体からの抗議や誹謗中傷が絶えないという状況で、報道ステーションが使命を貫いた姿勢は素晴らしいと、僕は思う。
(福島県立医科大学の鈴木眞一 この顔を覚えておこう 報道ステーション 3月11日)
「でもさ、どうしてセカンド・オピニオンを受けられないの?」
… 誰でも、そう思うよね。
実は、福島県の子どもの甲状腺検査は福島県内の指定病院でしか許されていない。また、その治療(手術)は福島県立医科大学でしか実施できない。
もし他県の病院で検査を受けても、その結果は本人には伝えられず、福島県立医科大学に送られてしまう、そういう仕組みになっている。
「ええっ~、どうして~!!」
理由はひとつ、検査データが拡散しないようにするためだろう。そのために、福島県立医科大学にデータを集中させているのだ。
「都合の悪いデータを出したくないからなの…?」
それもある…、けど、本来の目的は、全く別にあると僕は思っている。
( 核爆発する福島原発3号機 BBC 2011年3月14日)
これは研究なのではないだろうか…。
福島県立医科大学が行っている甲状腺検査やがん治療(手術)は、研究を目的とした、データ収集と生体サンプルの入手ではないのか…?
福島の子どもたちが受けている甲状腺検査は、例えば動植物や、土壌、水などと同じ、環境への影響調査の一環として行われていて、その予算は厚労省ではなく、環境省から出ているのではないか…?
だから、セカンド・オピニオンが受けられないのでは…?
そう考えれば、塩崎恭久の発言の真意が見えてくる。
僕たちが検査や治療(手術)だと思っている事
それは医療ではないのかもしれない。
底知れない恐怖感が湧き上がる。
<②につづく>







