(宮内庁HPより)
■象徴とは何か…。
これは宮内庁のHP、今回の「お気持ち」は「象徴としてのお務めについての天皇陛下のお言葉」と題されています。
あらためて全文を読むと、「象徴」という言葉が8回も出てきます。
第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
では、この「象徴」とは何なのか…。
① 昭和天皇は…
少し時間を戻しましょう。
戦前は「現人神」として、帝国政府によって神格化されていた昭和天皇は、終戦後、「人間宣言」をして、国民の前に出てこられました。あの「とぼけた感じ」で国民に愛されてはいましたが、多くの疑問に答えることはありませんでした。
「象徴天皇って、いったい何なの…?」
そう思っていた国民も多かったはずです。
もともと「元首=大元帥」として、若くから天皇の地位にあった昭和天皇には、「象徴天皇とは何か」を考えるのは、難しかったのだろうと思います。
② 「象徴天皇」の追及
今上天皇は「象徴天皇」として即位された、初めての天皇です。
今回の「お気持ち」表明を聞いて、陛下の人生は、「象徴とは何か」について追及された人生なんだと、痛切に感じました。このお言葉は、「象徴についてのスタンダード」として、今後も受け継がれていくものだと思います。
私はこれまで天皇の務めとして,何よりもまず国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考えて来ましたが,同時に事にあたっては,時として人々の傍らに立ち,その声に耳を傾け,思いに寄り添うことも大切なことと考えて来ました。
天皇が象徴であると共に,国民統合の象徴としての役割を果たすためには,天皇が国民に,天皇という象徴の立場への理解を求めると共に,天皇もまた,自らのありように深く心し,国民に対する理解を深め,常に国民と共にある自覚を自らの内に育てる必要を感じて来ました。
この言葉は、憲法第一条のすべてを語っていると思いますね。
象徴天皇は、常に国民と共にあるもの
僕は正直、感動しましたよ。
だって、「国民とともにある」と言いながら、それを実践してきたリーダーが、今まで日本にいたでしょうか?
③ 象徴天皇は「印籠」ではない
明治22年、大日本帝国憲法が公布され、「天皇は元首」になりました。
ところが実際は、天皇には国政を左右する発言権はなく、単に国会や政府が決めたことを承認して、勅命(天皇からの命令)として国民に従わせるための、要は「名ばかり元首」だったワケです。
水戸黄門の「この印籠が、目に入らぬか~!」と同じ構造です。
大日本帝国政府は、この「天皇制を利用して、国民を政府に従わせるシステム=国体」を、国家の根幹にしてきました。(この「国体の護持」に拘って、戦争が終わらず、多くの犠牲者が出た)
そんな帝国政府にとって、天皇は単なる「印籠」です。なので、世代交代でガタガタしないように、江戸時代までは普通にあった「生前退位(譲位)」を禁止しました。
昭和に入ると、帝国政府は国体をエスカレートさせ、天皇を神格化(現人神)し、教育勅語、靖国神社の3点セットで、日本を一気に軍国化させました。これが世界から非難された「大日本帝国のミリタリズム」です。
その結果は、おわかりですよね。
「象徴天皇は、単なる『印籠』ではない。」
今回の「お気持ち」表明で、僕は、天皇陛下の強い意志を感じました。
「国民に理解される」ために、その在りようを深く考え、自らの意思で、それを実践することこそが、象徴天皇の務めである。
陛下はそう仰っていますね。
高齢により、象徴天皇の務めをはたすことが難しなってきたので、「生前退位」を希望している。
これは過去に、「印籠」であった天皇制への強烈な批判です。
象徴天皇制という「革命」だと、言ってもいいと思います。
このスゴさ…、僕にはもう、言葉がありません。
<③につづく>

