聖なる夜に…。 | 追憶の骨 (bones)

追憶の骨 (bones)

音楽や映像だけでは残せない、あの時の僕たち。



こんにちは、ボーンズ88です。

クリスマス前の3連休、みなさんいかがお過ごしでしたか。
家族や親しい人達と、少し豪華な夕食、クリスマス・ケーキ…。

もうすっかり、クリスマスも終わってしまったような…
そんな、平日のクリスマス。

  §

今日の音楽は、アヴェ・ヴェルム・コルプス

小さな讃美歌、モーツァルト晩年期の最高傑作だと僕は思います。
映画の「のだめカンタービレ」でも使われていましたね。

「ええ~、クラシックなの~??」

パーティーの後、本来の、聖なる夜に。

  §

曲の構成を把握するために、こんなのいきます。


Ave Verum Corpus K. 618 / V. A. Mozart  


ピアノとソプラノの独唱ですね。曲のメロディがよくわかります。

前奏 → 1番(16小節) → 間奏 → 2番(16小節) → エンディング

気高く、わかりやすいメインのメロディの1番。

そこから絶妙な転調、最初は捉えるのが難しい2番へ。

そしてまた転調、解放へとむかうエンディング。

1番の終わりの部分の展開、「ィ・モ~~~~~」、

特に2番の後半~エンディングのところの把握が難しいですね。

 §

では、ある程度慣れたら、これいきましょう。



ゆっくりと、そして、じっくりと聴かせるモーツァルトの讃美歌。

感情とは違う、不思議な涙が流れてくる。

何だろう、この感じ、暖かい光が天から降り注ぐような、そんな感じ。
気高いメロディと、奥深いコード、そして、この非日常感。

心が洗われていくような…、そんな1番。

短い間奏の後にくる2番、とらえどころなく、始まる不穏な感じ。
いや、違う、すぐに現れる形を変えたそのメロディ、転調だ…。

深淵さを増す音の響きは、まさに荘厳。
静まる曲調、内蔵が圧迫される…、受難のイメージ。

そして最後に訪れる、すべてを許されたような、解放のエンディング。

消えゆく音。

  §

コミュニケーションに乏しく、ストレスの募る僕たちの社会。

パーティーとしてのクリスマスは重要だ。

ただ、それだけで、大人になっていいのだろうか?

最晩年のモーツァルトに聴こえたこの音楽は

欲望に走る僕たちをリセットしてくれる。

そんな一日に。

Merry Christmas !


<おわり>