「あ~あ、あと10年早く生まれたかったよなぁ~。」
10代の頃の僕は、いつもそんなことを考えていた。
§
僕は当時、ロックに詳しい年長者に必ず質問したことがあった。
「今まで、一番すごかった、コンサートって誰ですか?」
「そりゃ~、やっぱり、レッド・ツェッペリンだろ。」
… そうだろうなぁ~~。
§
「70年代のロックをリアルに体験できない」
10代の僕は、明らかに空虚感を抱えていた。
やっと会場に着いたときには、もう宴は終わっていたのだ。
§
確かに、この1980年以降も、その時代の壁を破り、
様々な新しい音楽が出てきて、僕を魅了した。
しかし当時、僕はもうすでに感じていた。
音楽的ファクター、例えばそれは演奏技術だったり、音楽的な
背景だったり、個性をベースにした才能だったり、想像可能な
イメージの範囲だったり…。
この音楽的ファクター、仮にレッド・ツェッペリンが100だとすると
この80年代には、それが50ぐらいしかないのでは…、ということ。
そして、今では、限りなくゼロに近い。
まるで上昇するロケットみたいに、ロックは多くの音楽的な
ファクターをそぎ落とし、コアな部分だけを、空高く舞い上げた。
§
素手で叩くドラムソロ、派手なパフォーマンス…、しかし…、
ジョン・ボーナムのドラムプレイ、その本領はやはり曲の中にある。
今日はそんな曲をいってみたい。で、その前に…。
この曲、ドラムだけ聴いててください~!
後は自然とついてきます。では、これ!
Hots on for Nowhere / Led Zeppelin 1976
基本的に16ビート、そこにシャッフルが入るようなリズム。
ツック ツック タック ツック 、 ツック ツック タック ツック
このリズム感覚の絶妙さが、理解いただけるだろうか?
曲を特徴づけるブレイク、複雑なのに流れないドラムのフィル・イン。
そして徐々に歌うように音量を上げていく、キープ・リズム。
デカいバスドラとシンバルが実に気持ちいい…。
曲というものに合わせて、これだけグルーブを出せるドラム…、
こんなの聴いたことがない…、今もそう思わせる。
§
レッド・ツェッペリンを聴いていると、いつも最後に思うことがある。
ギターとベースとドラム、このアイデア、演奏技術、アレンジ、個性…、
どれをとっても、バンドとしての最高峰だと、僕は思う。
しかしだ…
これにきっちりと「歌」をつけて、
僕たちが聴けるような、「音楽」にする。
実は、ロバート・プラントが一番の天才ではないだろうか…。
「ラン・ラン・ラン・ララ~ン・イェ~!」
結局は、これが頭を離れない…、のだ。
<③につづく>