終 宴 ② | 追憶の骨 (bones)

追憶の骨 (bones)

音楽や映像だけでは残せない、あの時の僕たち。


「あ~あ、あと10年早く生まれたかったよなぁ~。」

10代の頃の僕は、いつもそんなことを考えていた。

 §

僕は当時、ロックに詳しい年長者に必ず質問したことがあった。

「今まで、一番すごかった、コンサートって誰ですか?」

「そりゃ~、やっぱり、レッド・ツェッペリンだろ。」

… そうだろうなぁ~~。

 §

「70年代のロックをリアルに体験できない」

10代の僕は、明らかに空虚感を抱えていた。

やっと会場に着いたときには、もう宴は終わっていたのだ。

 §

確かに、この1980年以降も、その時代の壁を破り、
様々な新しい音楽が出てきて、僕を魅了した。

しかし当時、僕はもうすでに感じていた。

音楽的ファクター、例えばそれは演奏技術だったり、音楽的な
背景だったり、個性をベースにした才能だったり、想像可能な
イメージの範囲だったり…。

この音楽的ファクター、仮にレッド・ツェッペリンが100だとすると
この80年代には、それが50ぐらいしかないのでは…、ということ。

そして、今では、限りなくゼロに近い。

まるで上昇するロケットみたいに、ロックは多くの音楽的な
ファクターをそぎ落とし、コアな部分だけを、空高く舞い上げた。

 §

素手で叩くドラムソロ、派手なパフォーマンス…、しかし…、
ジョン・ボーナムのドラムプレイ、その本領はやはり曲の中にある。

今日はそんな曲をいってみたい。で、その前に…。

この曲、ドラムだけ聴いててください~!

後は自然とついてきます。では、これ!


Hots on for Nowhere / Led Zeppelin  1976  


基本的に16ビート、そこにシャッフルが入るようなリズム。

ツック ツック ック ツック 、 ツック ツック ック ツック 

このリズム感覚の絶妙さが、理解いただけるだろうか?
曲を特徴づけるブレイク、複雑なのに流れないドラムのフィル・イン。

そして徐々に歌うように音量を上げていく、キープ・リズム。
デカいバスドラとシンバルが実に気持ちいい…。

曲というものに合わせて、これだけグルーブを出せるドラム…、
こんなの聴いたことがない…、今もそう思わせる。

 §

レッド・ツェッペリンを聴いていると、いつも最後に思うことがある。

ギターとベースとドラム、このアイデア、演奏技術、アレンジ、個性…、
どれをとっても、バンドとしての最高峰だと、僕は思う。

しかしだ…

これにきっちりと「歌」をつけて、

僕たちが聴けるような、「音楽」にする。

実は、ロバート・プラントが一番の天才ではないだろうか…。

「ラン・ラン・ラン・ララ~ン・イェ~!」

結局は、これが頭を離れない…、のだ。


<③につづく>