1本の電話 ② | 追憶の骨 (bones)

追憶の骨 (bones)

音楽や映像だけでは残せない、あの時の僕たち。


のつづき>


旦那は怒っているようには思えなかった。

それは、電話口だけのことかもしれないが…。

… だいたい、なぜ今頃になって…??

そう言えるほど程の年月は過ぎている。

それは僕にとっても…、ということだ。

 §

簡単な話をする。

彼女は僕の事業所にパート事務員として入社した。

「1年したら社員にしてください!」

「どうして1年なの?」

「下の息子が高校に行ったら、お弁当がなくなるからです。」

そんな女だった。

 §

結婚前、大手商社に長く努めた彼女の仕事ぶりはすぐに評価され、
彼女は希望通り、1年後には正社員になっていた。

事業所は拡大を続け、僕と彼女は多忙を極めた。
毎日の残業、度重なる休日出勤、新しい事業、発生する問題…。

現場を抱える事業所で、事務所の正社員は僕と彼女の二人だけだ。

僕と彼女は多くの難題を二人で解決し、
その成果を二人で喜び合っていた。

「阿吽の呼吸」ができるころ、
僕たちは恋に落ちた。

やがて、上層部の勝手な事情で僕に理不尽な異動命令が下り、
僕と彼女の行動は少しだけエスカレートした。

彼女はその行動を旦那に追及され、
僕の異動と同時に会社を辞めた。


につづく>

※ 彼女との話はまた別の機会に、ちゃんとした形で書きたいと思っている。