午前10時55分、常磐線・牛久駅改札…

私はドキドキしながら、改札をくぐる人の波を見つめていました。もうじき再会できるのです、あの旧友達に…




4月23日に横浜で、10年ぶりに劇的な再会を果たした3人の旧友達が、遠路はるばる、ここまで訪問してくれるのです。

東京都内在住のS・神奈川県在住のE、そして埼玉県在住のMが来てくれるのです…それもわがユニット・Dolphin Colorsの、ドルフィン・コラージュワークショップを体験するために…




早くも私の胸も目頭も熱くなっていて、抑えるのが大変でした。

今回は盟友ケイが、昨日突如起こったアクシデントのため、参加できなくなってしまいました。非常に残念でしたが、ケイは歓迎ランチ会の店を予約したり、ワークで使う物品を揃えたりと、できる限りの事をしてくれました。

だから今日、この場にいなくてもケイは、立派にこの集まりに参加してくれているのです。ケイ、本当にありがとう。









やがて改札口に、懐かしい笑顔が次々に登場しました。とても素晴らしい日になる予感がしました。雨の中を遠くから来てくれて、感謝して止みません。

エスカレーターで駅前に降りて、待機していた盟友ミーの車に乗り込みました。車は歓迎ランチ会の会場となるカフェに向けて出発しました。




カフェで私が、今日のメンバーの紹介をさせてもらいました。全員がイルカ好きなため、たちまちミーと旧友達は打ち解けて、和やかな楽しいランチ会になりました。

いろいろな話を皆でしましたが、何を話しても笑いが絶えず、私達のテーブルだけが最初から最後まで、非常ににぎやかでした。




その後、ミーの車で、いつもお世話になっている、牛久市内にある【Healing Room 蒼い羽根】さんに移動しました。主宰のTさんが変わらぬ素敵な笑顔で迎えて下さいました。

Tさんも遠方からの来客達を、非常に喜び歓迎して下さいました。今回は何と、参加者が1都3県に及ぶのです。旧友達も蒼い羽根さんのゆったりした、素敵な雰囲気を気に入ってくれたようでした。









ミーと協力してセッティングをして、早速ワークに入りました。いつもの参加者達とは異なり、今回は皆が口数が少なく、集中して切り貼りしていました。

いつもでしたら一部の参加者が漫才を始めるのです。でも今回は、私とミーとTさん以外は、メンバーが総入れ替えになっています。

やはり大のイルカ好きばかりだからでしょうか、皆の集中力はすごかったです。こんなに静かな切り貼りの時間は珍しいです。SとEは、私と一緒に御蔵島に行った事もある仲です。




切り貼りの最中に、ミーが近寄って来て、私に何枚かの紙を持って来ました。

「これ、あげるから使ってよ」

よく見るとそれらは、ハートの形やら、大きな“恋”の文字やら、そんな類いのものばかりです。ミーが雑誌から引き抜いたのです。

「この夏、恋するケニーさん♪」

こいつめ!…と苦笑しながらも、ミーならではの応援の方法に感謝しました。









やがて皆の作品が完成しました。どの作品も、参加者ひとりひとりの今を見事なまでに表していて、素晴らしいものでした。力強く温かな素敵な作品ばかりです。

Tさんが煎れて下さる、とてもおいしいハーブティを飲みながら、ひとりひとりの話を聴きました。旧友達は全員、ひと廻りもふた廻りも大きくなって帰ってきたような感じがしました。









私が自分の作品について、述べる番が回ってきました。しかし、言葉が出て来ません。旧友達の笑顔と作品を見ていて、胸がいっぱいになってしまったのです。

どうしてもどうしても、胸も目頭も熱くなるのを抑える事ができませんでした。もはや涙が止まらなくなってしまいました。背後からTさんが、私の背中をさすって下さいました。その温かさにますます泣けてきました。




16年前にSやEと友達になり、よく遊ぶようになりました。後にMも合流して、ますます楽しい時間になりました。

しかしバカな私は、この旧友達に甘えてばかりで、時には苦しめてしまいました。そして、これ以上迷惑をかけたくないからと突如、自ら故意に消息を絶ってしまったのです。

確かに迷惑にはなりたくなかったのですが、結局は皆との関係から逃げただけでした。大切なはずの友人達を放り出すという、卑怯な事を私はしでかしたのです。

それでも4月に、10年ぶりに再会した3人は、怒りも恨みもせず、逆に再会を大喜びしてくれたのでした。しかも今日、こうして来てくれたのです。何とありがたい事でしょう。




ここで私の作品について触れておきましょう。

題名は《10年後~ずっと伝えたかった言葉》です。実は今回もイルカで文字を作っています。

“Sorry! THANK YOU”と…

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そう、これを旧友達に言いたかったのです。私は涙ながらに過去の話をして、ようやく、しっかりと謝罪する事ができました。そして『今日は来てくれて本当にありがとう』と言えました。




でも、旧友達は「もう10年も前の事で、詳細は覚えていないし、そんなに深刻にならなくていいよ」と私に呼びかけてくれました。

「ケニー君が元気でいてくれて、またこうして今日会えたから、それで充分嬉しいよ」と…3人は本当に懐が深い人達なのです。




私は次第に気持ちが落ち着いてきました。だけど、まだ涙が止まりません。

かつての大好きな友人達が私の元に戻ってきてくれて、今の大好きな友人達と一堂に会しているのです!こんな幸せな事が、他にあるでしょうか。

大好きな盟友ケイがこの場にいない事が、この時こそ本当に残念でなりませんでした。でも、ここにケイもいる気もしました。やはりミー・ケイ・私は心を同じくするトリオなのです。




…ふと気づくと、私は深く深く、幸せを感じていました。今日まで生きていられて良かったと心から思い、感謝しました。とても嬉しいです。

今、この場にいる人達とケイが、ますます大好きになった瞬間でした。もう絶対に、この絆を手放さないし、逃げたりしない!と、改めて固く心に誓いました。









最後は皆で記念撮影をして、蒼い羽根さんを後にしました。Tさんありがとうございます。常磐線ではわが県最南端の取手駅まで、ミーの運転で旧友達を送って行く事となり、ちょっとしたドライブを皆で楽しみました。

駅で笑顔で旧友達と別れました。また涙が出そうになりましたが、ここはしっかりこらえました。最近は涙もろくなってしまって、自分でも困っています。




その後、ミーが私の住まいの近くまで送ってくれました。帰りはすっかり晴れていて、車の中からふたりで眺めた夕焼けが非常に美しかったです。ミー、ありがとう。今回も本当にお疲れさまでした。

気づいたら時刻は19時になっていました。本当に非常に充実した8時間でした。あっという間に過ぎ去ったものの、これほど色濃く脳裏に残る時間も他にありません。









また是非、今日のメンバーで集まりたいです。勿論、その時にはケイにもいて欲しいです。ますます楽しく面白く、にぎやかになるはずですから。

大好きな友人が増えれば、人生はますます楽しくなりますし、加速すると思います。今日のような、素敵な時間を今後もいっぱい作りたいです。




♪小川が海に 絶え間なく
せわしなさげに 流るごと
われは君をば 愛すなり

われと雲とに 触れにける
霞に君は 似たるかな

君がいずこに 居ようとて
星々の間(ま)に 君見つく

われ君想う 君のこと♪

“I Think of You”by RENAISSANCE
(邦題「君を想う」)

ミー・ケイ・Tさん・S・E、そしてM…今日のメンバー全員に、この曲を心を込めて贈ります。私の大好きな友人達に。題名からして、これ以外の選曲などあり得ません。親愛なる友人達に捧げる一曲です。