豆知識その②です。
笠鉾と屋台の回転方法ですが、皆さん祭をみていて、一度は気になった事があるはずです。
ランキングでいえば動力の次に着くと思います
伝統的な回転方法には大きく分けて3つあり、車地巻式、ギリ回し、キリン式があります。
祭別にわけるとすると、車地巻式は小鹿野方面、ギリ回しは秩父夜祭り、キリン式は秩父川瀬祭で主に使われて居ます。
何がどう違うのか?ってなると、一本の棒の上に車体を乗せて回転させるという原理はどれも同じです。
根本的な違いは、床下…つまり土台部分の構造に違いがあります。
車地巻では、まず車地棒の後端を持ち上げて支持受けに支持棒を挿入する
次に巻き取り軸に綱巻き取って行くと、支持棒で車地棒が固定され、今度は吊り上げ軸に結ばれた綱に車体が吊り上げられる仕組みとなってます
車地巻式のメリットは、ごく少人数で場所も取らず、アスファルトを傷付けにくく、それ故車輪にも優しい。いわば、天然のジャッキ
この様な大変効率的な方法が、古くから伝えられている事に驚かされるが、デメリットとしては次の様な事があります。
支持棒を取り付ける際に車地棒を一旦床板いっぱいまで持ち上げる必要があり、腰支輪が組めず、装飾面に大きな不満がある。
ここが、車体を徐々に吊り上げる車地巻と大きく異なるところで、このテコ棒の操作の為に多数の要員と広い場所が必要となるデメリットではあるが、構造が比較的簡単で、腰支輪も後部まで美しく組む事が出来る等、メリットも多い
また、キリン式のキリンとは、機械のジャッキの事で昭和以降の新造、または改造の屋台・笠鉾ではこの近代装備の導入も多くなっている。
車地…シャチとは、滑車を利用した操重装置の事で、古くからその用途は広い。秩父では、屋台の回転(吊り上げ)に応用している。
この時の「支持棒」も一般に「ギリ」(ギリ棒)と呼び、これを設置する事を「ギリを支う(かう)」という
また、キリンは首を縮めた状態で予めその頂部を「ギリ受け」に取り付けてある。
なお、これらを備えず人力で行う「手回し式」も数多く存在しています。
それでは、今回はこの辺で(^_^)/~~
また次回<(_ _*)>