自虐日記22 | ヤドリギ金子のブログ

自虐日記22

   (昨日は、レヴィナスの【存在】と〈出会え〉そうな夜だった。いや、これは冗談にもならない、ペダンチックとも程遠い、ゆるすぎる、久しぶりの不眠の夏の夜。それゆえ、これも幸せな馬鹿者の放言と言っていいのだろうか? )

  泥沼にハマりそうだったので、ほぼ一日パソコンに向かわないで、夜にメールの確認くらいしなければ・・・などと自分をごまかして(まあ、誤魔化しはいつものことだが)、薄い蓋を開いてしまったら、このざまだ。

   TVニュースなんて見るんじゃなかった。歴史の終わりの予兆としか思えない悪夢のような、ような? ズタズタにされた「垂れ流しの情報」を見てしまったがゆえに、その後パソコンを開いてしまったタイミングの悪さが、まるでこのブルーライトの光が増幅してしまったかのように視覚を撹乱し、前頭葉をぐちゃぐちゃにかき混ぜ、歪みきった興奮に導かれてしまった。

  就寝はいつものように11時頃であったのに・・・。(ほぼ直前まで、読み散らした本からの、その真摯さにおいて自分と隔絶している言葉の転記と提出しなければならない(急ぐ必要もないのだが・・・)レポートを打っていただけなのに・・・などと慰めにもならない言い訳をしてみる。)

 そうして、眠れなくなってしまったことへの当てつけのように、画面につぶやく。「爛れ切ったメディアに露出することが、とどのつまりは売名に過ぎないことが、そんなに楽しいか?屁でもない言葉のような消費されるだけの平板な記号を連ねて、そんなに嬉しいのか? 「 私を、僕を、見て見て!」とはしゃぐように 乳繰り合おうとしてんじゃあねぇんだよ! どの界隈もどこの馬の骨も、結局は似たり寄ったりに思えてしまう。「ここがロドスだ、ここで跳べ!」か、ケッケッケッ。何も動かせていないし、どこも変わってなんかいねーじゃねえか。それとも、この鈍磨して味覚も忘れかけた舌先三寸でてめーらの光輝くスベスベのケツを舐めろとでもいうのか? 」

以上のような、屁でもない悪態をついて、ついたつもりになって、ネット界隈の極度に臆病な、悪意にすらならない、クズ言葉を垂れ流している匿名野郎たちと同じように、クズ以下のクズである私は、さらにそれ以下にすら成り果てようとしている、奈落の底に徹底的に落ちることもできないまま。

   ところが、負け惜しみのような(そう言えば、最近は勝ち負けでしか議論できない、下劣で薄っぺらい輩の一人が都民の「多大な」支持を得ていたなぁ。支持を得ること自体が「類が友を呼ぶ」で、実に実に問題なのだが・・・)浅薄な自覚であるがゆえに、こうして打ち付けること自体にたまらない快楽を覚え、隣で気持ちよさそうに寝息を立てているパートナーを横目に、のそのそ夜中に這い出して(いや、眠れなかったのだから起き続けて)無意味な罵詈雑言以下のようなことを〈呟いて≠書いて≠触れて〉しまっている。処置なし!

    悪態をつくこと、徹底的に。無理無理無理・・・。すでに四時をまわろうとしているから、目を瞑れば、眠りにつけるだろう。この不眠後半の悪態は、所詮はそれくらいの悪態に過ぎない。

   提灯アンコウの雄でもになって、偉大な雌の背中に乗っかり、やがては雌の背中に溶けていって・・・自分の臓器をほとんど消失させ、子孫繁栄のために精子だけを噴霧する、そんな夢のような夢でも期待して、眠りに落ちるまで亀殿のように部屋の灯りを点けたまま天井を見続けようか・・・。いや、妻が横で寝ているから、灯りをつけるのは無理だ。亀殿を真似ることすらできない。自分を笑うしかない。外では、久しぶりの雨に、カジカガエルが短い生を燃やし尽くすように、呑気な私を嘲笑するように、妙に金属的な声で合唱している。

  私は彼らの労働時間の短さに激しく憧れながら眠りにつくことに必死になった。