唯一の安心 | ヤドリギ金子のブログ

 唯一の安心

眼底に着床した同級生たちの泣き顔を
「別に・・・」と言って
軽く笑ってやり過ごし
縮こまった
唐突にやってきて唐突に去ってゆく動作
露わになるのはそれが自動的なものである
節約を
あるいは「破壊せよ!」と
おろおろアジテートする言葉を
飢えたようにむさぼったなら
氷上で撲殺されたアザラシの子のように
だまし討ちに会う前に
即座に人差し指を喉の奥に突っ込んで吐け!
包む闇に見放されてダム湖の明証にいかにも震えてみせ
その明るさで僕を暗くする末期の教師よ
(背後から撃たれ
 倒れた所をさらに撃たれる人よ)
排除の過去をすべて抹消し
蒼空を切り裂いて宙に残った
雲雀の声の欠片のような
傷痕からはじめよ!
それが数限りない誰彼の
命運と切られている
唯一の安心だ
決して届かない場所にいるからわかることもあると思えばいい
例えば、
君が死んでいくというのに君を死なしめる幻影のなかで・・・
という具合に