疾病休暇中、難しい本を読む気力が出なくて、何気なくSMAPの解散騒動の裏側を描いた「小説」、『もう明日が待っている』(鈴木おさむ著)を読んでみました。



私は特にSMAPファンというわけでもないし、ジャニーズに詳しいわけでもないのですが、国民的スターとしてSMAPに親しみの気持ちは抱いていました。


そして、メリー喜多川さんによるSMAPのマネージャー飯島さん外しから始まった一連の騒動にもずっと着目していて。


スマスマでのいわゆる「公開処刑」から解散までの流れには多くの疑問を抱いていました。


国民的スターと一大勢力を誇るテレビ局が、たかだか一芸能事務所のオーナーの私情で、公共の電波でこんな放送ができてしまうんだっていう驚き。


ジャニーズ事務所とマスコミとの関係性のおかしさはずっと指摘されていましたが、この「公開処刑」からの一連の流れで、多くの人が「何かおかしくない?」って、今までハッキリとは見えていなかった部分に気が付いたというか。


でも、その裏で何があったのか、当事者が誰も口を開かないので、憶測ばかりが飛び交って。


単なる一芸能事務所が、民放のバラエティ番組とはいえ、公共の電波を操れること自体が異常ですよね。


でも逆に、その芸能事務所オーナーが普通ではあり得ない異常なムーブをしてくれたから、芸能事務所とマスコミの異常な関係性があらためて浮き彫りになって、こうして社会問題化できたとも言えるのかも。


問題の箇所は、きっと裏であったことの10%くらいしか書いていないんだろうなとは思うんですが、それでも「そういう経緯だったんだ」「それであの人があの言葉を言ったのか」みたいなことがわかるくらいには、裏側を書いてくれています。


さらに、SMAPの5人が旅をする特番があったのですが、ああいう番組の作り方(あくまで5人が自主的に旅をしてるテイ)の時って、どこまでが事前にお膳立てされてるのか(つまりどこまでがヤラセなのか)気になっていたんですが、その制作現場の裏側も書いてあって面白かったです。


しかし、特にSMAPファンではない私でも、リーダーの中居くんがどれほど心を砕いて頑張ってきたのか、涙なしでは読めなかった悲しい


マネージャーさんのプロ意識も素晴らしくて、国民的なスターってこうして生まれるんだなって、改めて彼らの凄さを実感したり。


だから朝日新聞とか、大きな媒体がずっとマネージャーさんの活動を応援してるんだなとも思ったり。


一般事務職としてジャニーズ事務所に入った女性が、タレントをここまで育成できた能力もすごいですよね。


いつか飯島さんの手記を読んでみたいけれど、きっとお書きにはならないでしょうね。


気軽に手に取ったはずの本でしたが、面白くて夜中まで一気読みしてしまいました。


海外の有名タレントをブッキングしていく裏話とか、まだテレビにお金と力があった時代の話を懐かしく思い出したり。


スマスマを覚えていて、ある程度ミーハーな方でしたら(笑)、国民的なバラエティ番組がどのように作られていたのか、その裏側がわかって面白く読めると思います。