今日は、朝から親知らずの切開手術のために総合病院に行ってきました。


日本でも、大学病院で親知らず抜歯の口腔外科手術をしないといけないと、ずーっと言われていた私。


でも歯茎を切開して、骨も削らないといけないと聞いたら怖いじゃないですか……真顔真顔真顔


なんの自覚症状もないし、何も困ってないからなおさら……。


仕事も忙しかったし、妊娠したりもしたので、じゃ、出産して落ち着いてから……って話になっていたのが、あれよあれよと時間が過ぎ、そのままオーストリアへ引っ越してしまって。


で、こちらでようやく通い始めた最初の歯科医では何も言われず。


あ、良かった、必要ないんだって、ちょっとホッとして。


でもその歯科医にあまり納得がいっていなかったので(歯のクリーニングもこちらから何度も言ってもなかなか予約が取れなかったり)、同僚に教えてもらった会社近くの評判のいい歯科医に変えたのが去年の9月。


そうしたら、あれよあれよと、クリーニングは向こうから提案してさっさと何回も予約を入れてくれるし、親知らずももちろん指摘されあせる


口腔外科(Kieferchirurgie)がある総合病院に紹介状を書いてくれ、最初のアポに行ったのが9月の中旬。


そこで検査の後、手術手順の説明を受け、後日、2回の手術日の連絡が来ました。


(9月に受診で、手術日は2月末と3月末。保険診療の総合病院なので、けっこう待ちますね)


で、ずーっとドキドキしながら、当日を迎えました。


私がアレルギー体質なことと、偏頭痛持ちなことから、付き添いがいた方がいいと言われたので、夫に付き添ってもらって。


(でももちろん外で待っているだけで、手術室には入れません)


手術室は普通の歯科医の診察室と変わらない感じで、執刀医も前回説明してくれた方と同じ方。


もう数ヶ月も前なのに、「この間も会ったわよね!」って覚えていてくれて、朗らかに挨拶してくれました。


他のアシスタントの先生や衛生士の方たちもみんな女性。


かわるがわる名前(ファーストネーム)を名乗って挨拶してくれて、緊張をほぐすための雑談も。


「どこの出身なの?」「ウィーンに来てどのくらい?」「愛のために引っ越してきたの?」などなど、雑談も女子トークのノリ泣き笑い


そして、確認のために生年月日を言わされ、なんの手術を受けるのかも、自分で口頭で言わされて泣き笑い


「えーっと、親知らず(Weisheitszahn)を抜く手術……?」


って、自信なさげに答えたら、「その通りよ!」って、まるで幼稚園児に「よく言えました!」って励ますようなノリで褒めてもらった泣き笑い


音楽を聴きながら手術できるって言われていたので、イヤホンを装着しつつ、手術の準備をしてもらい。


その間に、「あなた、本当に〇〇歳?」って聞かれて、「そうです」って答えたら、手術室の皆さんから一斉に「ウッソー!」の声が泣き笑い泣き笑い泣き笑い


「あなた、よく保ってる(aushalten)わよ! すごいわ!」って、肩を叩いて褒めてもらい、「アジアの食事がいいのかしら? 普段、何食べてるの?」って、急に質問攻めに。


ちなみに私はアトピー体質なので、肌も綺麗じゃないし、日本人としては特に若見えするわけでもなく、普通に年相応の見た目です。


でもそう言えば、前回、最初の診察に来た時も、全く同じやりとりがあった記憶泣き笑い


やんや、やんやと賑やかに褒められて、悪い気はしないニコニコ


麻酔を打つ時も、全然痛くも不快でもないんですが、アシスタントの方が眉間をマッサージしてくれたり、「すごいわ! よく頑張ってるわ!」って、やたらに褒めてくれる


オーストリアの病院って、ただ座ってるだけなのに、すっごく精神的に甘やかしてくれて、なんだか幸せラブ


手術自体は結構大変で、今回は片側(上下)だけの施術だったのですが、上顎に親知らずが2本あったりして、予定よりも時間がかかりました。


意識はあるので、音楽(藤田真央さんの次のコンサートの予習用プレイリスト笑)を聴きながらも、話し声は聞こえます。


執刀医の先生が「上の親知らずが2本もあるわよ!」って話しかけてくれるのですが、こちらからは返事ができない泣き笑い


そして、アシスタントの方と、


「難しいけど、できるわ(Es ist schwierig aber machbar!)」「できるに違いない(Es soll machbar sein!)」「できなきゃいけない!(Es muss möglich! Es muss machbar! )」


って、口々に言い合っていて、頭の中には歯がメリメリ言う音が響いてるし、「え? そんな難しい感じ?」ってめちゃめちゃ不安になりました魂が抜ける


でも、ピアノ曲で不安を紛らわせつつ、なんとか無事に長丁場の手術も終わりました。


途中もずっと褒めてくれていましたが、終わった後も、「あなた本当によくやったわ! 素晴らしかったわよ!」って、スタッフがみんな口々に褒めてくれて。


正直、この時までは、単に励ましてくれてるだけだと思っていたんです。


だって、私は本当に何もしてなくて、ただおとなしく口を開けて、指示に従ってただけだから。


でも、アシスタントの先生と待合室に出たとき、夫の姿をみつけたアシスタントの先生が、「彼女、本当によくやったわ! 素晴らしかったわよ!」って、わざわざ夫にも褒めてくれて爆笑


さらに、確認のレントゲンを撮った時も、執刀医の先生が来られて、「あなた、本当に素晴らしかったわ! 患者さんがこういうふうに協力してくれると、私たちも仕事がやりやすくなるのよ。本当にありがとう!」って、お礼まで言ってくれるびっくり


正直、本当に何もしてないのに、一生分くらい褒められました。


しかし、最初は社交辞令だと思ってたけど、あまりに色んな人から何度も熱く褒められるので、もしや、こうしておとなしく手術を受ける人が珍しいのかも?って、思い始めて。


と言うのも、うちの夫もそうなんですが、こっちの人って、痛みの表現が「え? そこまで?」っていうくらい、オーバーだったりするんですよね。


手術中に騒いだり、おとなしくしてない人も中にはいるのかも……。


その点、日本で育った日本人は、従順に先生の言うことを聞いて、多少の痛みや不快感はそういうものだと静かに我慢するのが普通だったりしますよね。


若く見える!と褒められたり、協力的だと褒められるのも、日本人であるおかげ。


そう思うと、スパルタ式の昭和の日本育ちで良かった!


そして、手術後、アシスタントの先生が夫に、


「これは単なる歯の治療じゃなくて、れっきとした外科手術です。奥さんをいたわって、甘やかしてあげてくださいね」


ってわざわざ言ってくれて、ほんとありがたいラブラブラブ


おかげで、日頃、特に私に興味を示さない夫も(笑)、すごくいたわってくれました。


そんなわけで、ウィーンの公立病院の口腔外科は、とことん患者の気持ちに寄り添ってくれて、とっても暖かい環境でした飛び出すハート


好きな音楽を聴きながら、施術が受けられるのもいいですよね。


しかしやっぱり、術後はめちゃめちゃ顔も腫れ、喉も腫れ、唾を飲み込むのにも激痛が走り、話すのも難しくて、思った以上にダメージがすごい。。。昇天


家に帰ってからはずっと寝込んでました魂が抜ける


あー、これをもう一回やるの、ほんと憂鬱びっくりマーク


二回目だから、もうあんまり褒められないかもしれないし(笑)


でも、今はようやく痛み止めも効いて、なんとかメッセージに返信したり、ブログを書けるくらいには回復してきました飛び出すハート


こんなに親切にしてもらって、保険診療で無料で手術まで受けられて、オーストリアの医療ってすごい!


改めて、ありがたいなーって思いました。