昨日は、友人の推しのコンサートがあり、トッパンホールまで出かけてきました。
昔の職場が割と近いエリアにあり、トッパンさんともお付き合いがあって何度か本社にもお邪魔しましたが、ここ、すごく不便な場所なんですよね
でもトッパンホール自体はとても落ち着いていて、小ぶりで聴きやすいホールで大好きです
コンサートホールがあるとは思えない場所を延々と歩いて……(中央の立派なビルがトッパン)、
エントランスに到着!
友人の推しのチェンバロコンサートは完売
バロック音楽のエリートファミリーにお生まれで多才な鈴木優人氏
うちの母は長年、お父様の鈴木雅明氏&バッハ・コレギウム・ジャパンを推していて、定期会員になってコンサートに足繁く通っていました。
(今は残念ながら体調が思わしくなく、長時間座っているコンサートに行くのは難しくて退会しています)
当時は私もよくお供をして一緒にコンサートに行っていましたが、バッハ・コレギウム・ジャパンのコンサートって、男性の観客が多いんですよね!
今回の優人氏の、バッハの平均律クラヴィーア曲集の第二巻を全曲通して弾くというコンサートも、お一人でいらしている男性の姿が目立ちました。
早めに着いたので、2階のカフェでコーヒータイム
程なくして友人が現れましたが、なんとコンサート前にチェンバロのレッスンに行ってきたのだって
そう、この友人は優人氏にハマるあまり、自分でもチェンバロを習い始めたんです。
推しの力ってすごい
でも私も古楽器好きで、一時期ウィーンで古楽器を習っていたので、すごく気持ちがわかるし、趣味が合って嬉しい
優人氏の優美なチェンバロ
私はチェンバロの中でも電子音みたいなキンキンキラキラ系の音は苦手で、まろやかな音が好きなのですが、優人氏のチェンバロは華やかながらもまろやか系(←語彙)で、好みの音色で良かった
平均律クラヴィーア曲集は、プレリュード(前奏曲)とフーガの組み合わせで、24の全ての調で作曲されています。
でも習い事のピアノも中途半端で、特別な音楽教育も受けていない私なので、音律や調律については、何度解説書を読んでも、いまだにチンプンカンプン
なので、音楽理論を理解しようとはせず、純粋に「この曲好きだな」「これはあんまりだな」っていう、単なるミーハー目線で楽しんできました
一曲ずつ簡単な解説がついている冊子が配られるので、それを見ながら、そこに書いてあること(曲の特徴)を掴もうとしながら鑑賞できるのが面白い
コンサートって、ただボーッと聴いていると、途中で思考が宇宙空間に旅立ってしまう瞬間があるのですが(飽きるとも言う)、こういう小品を連続で聴く形式だと、集中力が保たれるのがいいですね
まるで福袋とか玉手箱のように次々とまるで違う曲想の曲が現れるので、「次は何がくるかな?」って、ワクワクの気持ちが途切れません。
解説を読みながら、「この要素は意味がわかんないな」とか「あ、このことか!」とか勉強しながら聴けるので、すごく充実した気持ちになれました
残念ながらこのシリーズは今回が最終回だったのですが、日本にいたら全3回全部聴きたかったな〜!
久々にバッハについてもう一回勉強したくなり(大学時代の音楽史の先生がバッハ推しで、半年かけてマタイ受難曲を勉強したのがすごく楽しかった)、当時の先生が推していた磯山雅先生が書かれた、一般向けの本を読み返しています。
しかし間近で目にする優人氏は、まさに優美さとチャーミングさの塊で、客席にもきっと男女問わず、多くの熱狂的な優人氏ファンがいるんだろうな〜って感じました(笑)
アンコール曲は平均律クラヴィーア曲集の第一巻第一番のプレリュードハ長調。
優人氏のアンコール前のスピーチ(災害に思いを馳せた音楽の力と祈り)と相まって、その祈りのこもった演奏に涙が出そうなほど胸を打たれました。
ふと見たら涙を流されている方もいらして、やはり皆さん胸を打たれたんだなと、会場の一体感を感じました。
トッパンホールは小さいですが、その親密な空間がチェンバロにぴったりで、宮廷のサロンコンサートにお呼ばれしている貴族のような気持ちになれます。
クロークの客捌きや、休憩時のカフェでの対応もすごく効率的で早くて、お客さんが一列にピシーッと並ぶのも気持ちよくて、日本文化の素晴らしさをここでも実感
ウィーンだと、カウンター前にグシャーっと横に広がって待つので、横入りする人もいるし、順番を飛ばされないように気を張ってないといけないので疲れるんですよね
さて、そんな大満足のコンサート後は、友人が予約してくれていた「フランス語で注文ができる(笑)」神楽坂の焼き鳥屋さんへ。
コース内容の変更もできたりして、とっても親切
焼き鳥も美味しくて、締めのドライカレーも家庭的で嬉しい スープも美味しかった!
優雅なコンサート後のお食事としては、雰囲気も庶民的すぎたかもしれませんが、私の希望(焼き鳥が食べたい笑)に合わせてくれた友人に感謝
ワインもお食事も美味しくて、友人とのおしゃべりも楽しくて(なぜか隠れキリシタンの話とか)、至福のひと時でした