日本でも少しは報道されているかな?と思いますが、極右政党が躍進したオーストリアの総選挙。
この政党自体、元ナチス党員が設立した曰くつきの政党で、党首のキックル氏は過激発言を繰り返す変わり者(と、私は認識してます)。
でも今回、なんだかいつもとは違うなと思ったのは、いつもこの自由党(FPÖ)を支持するのは、あまり学のないオーストリア人右翼っていう印象だったのが、今回はかなり幅広い層に支持されている感じだったこと!
身近にも、え? あなたも?ってびっくりするような、高学歴エリート会社員が支持を表明してたり、移民背景を持つ若者(国籍はオーストリアだけど、先祖のルーツは中東)までが支持していたり。
今までだったら、ちょっと恥ずかしくて支持を公言できないような政党だったのに(という私の印象)、反移民政策を掲げながら、先祖に移民ルーツがある若者にまで支持されているなんて、すごい支持層の広がりぶり!
それくらい、国が移民問題やウクライナ問題に疲弊してるってことなんでしょうね。
「庇を貸して母屋を取られる」じゃないけど、そんな危機感と不満がオーストリアに渦巻いているのを感じます。
(でも別に日常で意地悪されたり、危険があるわけではないので、ご旅行など、ご心配なく!)
そして今回、環境保護を訴える緑の党(今の連立政権の与党)が議席を減らしたのですが、FPÖ(極右政党)の支持者層って、行きすぎた環境保護にもうんざりしてるところがあったりするんじゃないかな。
っていうか、私もかなりうんざりしていますが!
こういう子たちに!(↓読売新聞より)
この子たちの雰囲気を見ても思うんですが、こうした活動に中二病的な、未熟な思春期っぽさを感じます。
きっと学校とか社会にうまく適合していなくて、この活動が気持ちの拠り所なんだろうな……って。
で、私は個人的にもこちらの環境保護を声高に訴える人たちにイラっとしてることがあって。
まず、上の子がママ友(オーストリア人)から日本留学の感想を聞かれた時。
「暑かったでしょ?」と聞かれた上の子が、「暑いけど、どこもエアコンが効いてるから、そんなに大変じゃなかった」って答えたら、ママ友がピシャリと「そんなんだから温暖化が進むのよ!」って
でも、私たちのウィーンの家にはエアコンがなくて、ママ友の家にはあるんです。
さらに、その話の後、「明日、うちに遊びに来ない? エアコンあるから涼しく過ごせるよ」って誘われて。
「エアコン工事、まだしないの? 暑いでしょ?」とまで聞かれた
こういうダブルスタンダードには普通にびっくりします。
「日本のエアコン=過剰、悪」、「自分たちのエアコン=適切な使用、善」みたいな。
正義を振りかざして、すっごい断罪してくるよねー!って、身の回りの環境保護派(あと食肉反対派)に感じています。
上の子のお友達家族(オーストリア人)にも、ものすごく尖った環境保護系ファミリーがいて、時々私たちにも説教してくるんですが、普通にマイカーには乗ってるし、飛行機で休暇にも行く。
さらに、最近の暑さに耐えかねて、ついに簡易式のクーラーも買ったらしく。
こういうので、ダクトホースを外に出して使用するので、窓を開けたまま使います。
クーラーの室外機設置工事が簡単ではないウィーンの集合住宅では、こういうのを使う人も多い。なんならお店でも使ってたりします。
でも、彼らの家は1階で、周りに木々もあって日陰で、十分涼しいんです。
でもこの窓を開けたまま冷やすという、恐ろしくエネルギー効率の悪いクーラーを使って、さらにこれ1台で住居全体を冷やそうとしてるから、これが設置してある部屋は寒くていられないくらい
別にいいんですよ。私は住環境の快適さは人それぞれだし、それが快適なら別にいいと思っています。
でも、そうやって暮らしているのに、日本社会を批判してきたり、私たちの暮らしぶりを批判してきたりするのが、納得がいかない!
よく自分のことは綺麗に棚に上げられるな〜って、呆れると共に、ああ、こういう人たちとは分かり合えないなって、また自分の異邦人感をしみじみと噛み締めます。
私が自分のことは棚に上げて、人を断罪し始めたら、「ちょっと、オーストリア化しすぎだよ!」って、遠慮なく突っ込んでください