岸恵子さんが亡くなられました。

好きな女優(この言い方、何か問題があるの?)さんだったので、喪失感が大きく、とても残念な気持ちです。
私の母と年齢が近い事もあり、勝手に「芸能界の母」のような感覚で作品を観させてもらっていました。
私よりもっと上の世代だと、『君の名は』を思い浮かべられる方が多いのかもしれませんが、私は観た事がありません。
私が岸恵子さんの作品で真っ先に思い浮かぶのは『悪魔の手毬唄』です。

この『悪魔の手毬唄』という映画は単なるホラーサスペンスではなく、細部まで(人間模様の描写などが)実によく出来ていて、私の「生涯ベスト5」に入る映画です。
ラストの磯川警部とのシーンがとてもせつなく、大きな余韻が残ります。
観る度に、毎回幸せな溜息が出てしまう映画です。
もう一つ印象に残っているのが、石原慎太郎原作の映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』です。

大東亜戦争末期の特攻隊を描いた作品ですが、鹿児島県知覧町で「特攻隊の母」と呼ばれた鳥濱トメさんを演じておられたのが岸恵子さんでした。
素晴らしい演技だったと思います。
ラストで、亡くなられた特攻隊員が鳥濱トメさんに会いに来るシーンは(わかっていても)毎回号泣してしまいます。
戦前生まれの岸恵子さんは戦前の日本、そしてGHQのWGIPによって大きく変わってしまった戦後の日本を見ながら、一体何を思われたのでしょうか。
年齢が近い私の母と同じような事か、もしくは叔母のようなある意味リベラルな事だったのか。
想像するしかありませんが、『俺は、君のためにこそ死ににいく』に出演され、あのような演技をされた方ですから、きっと前者だったのではないかなと、今は勝手に思っています。
私のライブラリーには岸恵子さんが出演された作品がいくつかあるので、これからまた観返してみようと思います。
岸恵子さま、
長い間、私たちを楽しませてくれてありがとうございました。
ご冥福を心よりお祈りいたします。