「ばけばけ」が面白い。

「NHKは動物番組と朝ドラのみで良い」と思っている私。
ここ近年の朝ドラを観て思うのは、「TVってこんなに窮屈なものだったかなぁ」という点だ。
どういうことかと言うと、娯楽を形骸化する“コンプライアンス“という言葉が至る場面に見え隠れして、心から楽しめないのだ。
観ていて、ひどく肩が凝る。
これは致命的である。
今よりも前の時代の物語のはずなのに、登場人物は完全に現代のキャラクターであり、多いパターンが「女性は万能」「男性はなよっとした頼りない輩」というものだ。
平成以降はそういうキャラクターが多いのかもしれないが、
昭和、戦前。更に大正、明治頃はそういった男性はむしろ少なく、女性も(例えダメな夫でも)立てるのが良妻、という時代であり、それが多くの一般庶民の認識だったであろう。
法令に関してもそうだ。
昔は遊郭は合法である。何の問題もない。良いか悪いかは置いといて、貧しさから脱却するため、その職業で生計を立てていた女性もいたのである。
自転車のヘルメット。これはかぶらなくても、全く罪に問われない。
平成以前は(見つかったらアウトだが)アルコールを飲んで車を運転する輩もいただろう。
タバコも男女関係なく、日本人の多くが職場や飲み屋などで吸っていたはずである。
この辺りが全て今の法令を順守していて、何時代かわからない。
端的に言うと、つまらないのである。
凶悪な強盗犯が車を使って逃げる時に「逃げる事で精いっぱいだが、出発前にシートベルトだけはしっかり締めます」的な。
現実的には「ありえないだろう」と思う事でも、誰かからの批判が怖いのか?
今の法令に合わせて物語を作ってしまう。
これでは完全に興覚めである。
「ばけばけ」の話に戻ろう。
まず、主人公のおときちゃんが良い。
朝ドラは福岡出身の女優(この表現もいつの間にかアウト?)が2作品続けて主役を演じたが、高石あかりが演じる「おとき」はどこか庶民的で親近感が持てる。
応援したくなるキャラクターである。
そして、何と言っても、ヘブン先生(小泉八雲)を演じるトミー・バストウが素晴らしい。
日本に興味津々で、愛嬌があるように見えるが、急に気難しくなる時もあり、何を考えているのかイマイチ掴めない。
そして、奇妙な日本語を時折使うのだが、それが妙にツボにハマってしまう。
松江の大寒波で体調を崩した時に思わず吐いた弱音「サムガリ ヤメタイ、 サムライ ナリタイ」には爆笑してしまった。
主演の二人が好感の持てるキャラクターというのは非常に大きい。
これからの展開が楽しみである。
NHKさん、どうか今後の「ばけばけ」は娯楽を台無しにする“コンプライアンス“が見え隠れしないよう、丁寧に、うまく制作してもらいたい。
惜しむらくは、
おときちゃんが怖い話や階段が大好きという部分を、物語の序盤でもう少し強調して表現しても良かったのではないか、という点。
現時点で、おときちゃんが怪談や怖い話が好きなのは一応わかるのだが、そこまで大好きには思えない所が玉に傷である。
今後、ヘブン先生とは怪談や怖い話を通じて縁が深まっていくのだと思うが、序盤の印象付けが若干甘かったような気がする。
子供の頃、怪談好きなあまり、一人で怪談の舞台のお寺に出かけて帰り道がわからなくなり、家族が慌てて探す(でも本人はケロリとしている)とか、そういったシーンを挿入しても良かったのではないかと思う。
それでも、欠かさずに観たいと思える朝ドラは「カムカムエブリバディ」以来、久しぶりだ。
このまま欲を出さず、視聴率という呪縛に囚われずに、一見地味でも良質な朝ドラを期待したい。
最後に余談。
本当に「蛇足」かもしれないが…。
ヘブン先生がとても魅力的で、多くの日本人から好かれているのは、すべて彼のキャラクターに因る(よる)。
令和の昨今、我が国では外国人問題が過熱しているが、日本に来る外国人がみんなヘブン先生のような“日本が大好き”で、“地元に解け込み、日本の伝統や文化を学ぼうと努力”しており、“穏やかで平和を好む人物”であれば、このような問題は起きない。
日本に来て、その国を理解しようとせず、迷惑行為を繰り返し、義務を守らず、お金や権利ばかりを主張する外国人を誰が相手にするだろうか。
“外国人差別“といった、とんちんかんな表現をマスコミはよく使うが、それは完全に的外れなのである。
上記のような迷惑なキャラクターであれば、それが日本人であっても誰も相手にはしたくないだろう。
渡航してきた国の国民と友好的であり、その国の文化や習慣を理解しよう(解け込もう)と努力している外国人を誰が理由もなく差別するだろうか。
本来、そこまで日本人は狭量ではない。
自由闊達な意見を封じるために“差別”という言葉を安易に使うのはマスコミのクセのようなものだが、もういい加減やめた方が良い。
それよりも、いまだに(諸外国へ)渡航した日本人に対する人種差別に異議を欲するべきである。
私たちが思っている以上に、黄色人種への差別意識はまだ存在している。
それは、ある程度の時間、外国人と接した事がある人にしかわからないだろう。