The Guardian, Tue 11 Jun 2024

Social care is a timebomb beneath Britain – why does neither main party have a plan to tackle it?

Gaby Hinsliff

 

南ロンドン郊外のクロイドンにある教会のホールでは、おなじみのビートルズのメドレーが流れる。群衆は体を揺らしながら歌い、80歳の女性が夫の手を握る。

 

ポールは血管性認知症を患っており、もはや話すことはできないが、時折思い出したように微笑む。妻のジルは、ポールの診断後、情報冊子と、NHSが提供できるものは何もないので、自分たちでやるしかないという沈んだ気持ちだけで、家に帰されたと言う。週に2回、30分ほどケアワーカーが来てくれるが、それ以外はジルがポールの世話をしながら心臓手術を待つが、自分が手術を受けたら彼らはどうするのかと心配する。

 

少なくともアルツハイマー協会が認知症患者とその介護者のために主催するこの癒しの歌唱グループは、毎週、家から出て理解のある人々と過ごす機会となっている。

 

自由民主党の党首エド・デイビーが、選挙放送で、重度の障害を持つ息子の世話について感動的に語ったように、介護は何百万人もの人々の物語である。それは、キール・スターマーの母親が一種の関節炎で苦しんだ物語であり、デイビッド・キャメロンの息子イヴァンが短い6年間を生き延びた悲劇的な物語でもある。

 

こうした個人的な経験は3人の男性全員に深い影響を与えたはずだが、どういうわけかキャメロン首相はデイビー氏も参加する連立政権を率いて社会福祉を提供する自治体の予算を削減したし、一方でスターマー氏は包括的な解決策をまだ発表していない。

 

2017年にテリーザ・メイ首相が試みたとき、労働党は、資産10万ポンド以上の人に在宅介護の費用を負担させるという彼女のマニフェスト計画を「認知症税」という致命的な言葉で表現した。しかし保守党は2010年にアンディ・バーナム氏に対しても同じようなことをし、相続税で社会福祉に資金を提供するというバーナム氏の呼びかけを「死亡税」と呼んだ。際限なく武器化され、決して解決されないこの問題は、今や不吉な形で労働党の受信箱に残っている。

 

クロイドンのグループが求めているものの多くは、悲痛なほど控えめなものである。ビートルズを 1 時間歌うのは、破産寸前の自治体が簡単に廃止できる小さなことのように思える。しかし、それは人々が忘れかけている幸福の亡霊にしがみつく方法の 1 つなのだ。