The Guardian, Sat 27 Apr 2024

Civil War is a terrifying film, but Trump: The Sequel will be a real-life horror show

Simon Tisdall

 

監督、出演者、批評家は皆、次のように同意している。卑怯で独裁的な大統領がホワイトハウスに潜伏している間にアメリカが血まみれに引き裂かれる様子を描いた映画『シビル・ウォー』は、ドナルド・トランプに関するものではない。しかし、実際にはそうなのだ。

 

同様に、現在ニューヨークで大勢の観客を前に上映されている、史上初の米国大統領の刑事裁判は、表面上は、トランプがタホ湖での安っぽい情事の後にストーミーという元ポルノスターの口止め料を不正に買ったという主張に関するものだ。しかし、実際にはそうではない。

 

映画も裁判も、トランプの2期目に関するものだ。セックス、嘘、アクセス・ハリウッドのビデオテープ、信頼と裏切り、真実と分裂に関するものだ。政治的な確執と復讐が渦巻き、銃が蔓延し、公民権をめぐる論争はcivil(礼儀正しく)でも正しく(rights)でもないが、アメリカにおける民主主義に関するものだ。

 

崩壊といえば、トランプは今や法廷で何と小さくなった姿をさらけ出しているのだろう。弁護士たちと並んで背中を丸めて肩を丸め、沈黙している彼は、不機嫌で、憤慨し、子供じみた不機嫌さを見せる。部屋は寒い、と彼は愚痴をこぼす。陪審員候補者たちは面と向かって無礼に彼を侮辱する! すべてがとても不公平だ。

 

彼の下品な基準から見ても、頑固な裁判官の前で毎日のように屈辱を受けることは、取り返しのつかないほど公然たる屈辱だ。面目を失い、威勢のいい態度を維持することは、致命的に見え始めている。大統領復帰王トランプとは対照的に、犯罪共謀者とされるトランプにとって、「あと4年!」というおなじみの選挙スローガンには不穏な響きがある。34件の重罪で有罪となれば、「4年間の禁固刑」が彼に待ち受けている。

 

「アメリカを再び偉大に」の脚本は変わらない。トランプのワシントンへの大ヒットした第2次行進は単に一時停止しているだけだとMAGA信奉者は言う。彼は壮大な続編を作っており、11月に全力で戻ってくるだろう。要するに、それが問題なのだ。

 

ここに現実世界の矛盾はない。ベンチでにらみを利かせる不機嫌なトランプと、ホワイトハウスの権力と栄光を狙う、『シビル・ウォー』の映画に描かれた独裁志願者が、愛すべき悪辣な人物として一体化している。

 

ロシアのウラジミール・プーチン大統領に対するトランプ氏のおべっか使いやキエフの指導者に対する復讐は、ウクライナにとって災難を意味する。また、彼がどれだけ威勢よく振る舞っても、中国が台湾を侵略した場合に彼が中国に立ち向かうという確信は持てない。

 

ヨーロッパの分裂と貿易戦争、NATOの分裂、75年間の大西洋横断協力の崩壊にも備えよう。制御不能な世界的軍拡競争、地球と宇宙での抑制されない核兵器の拡散、気候危機目標の全面放棄にも備えよう。 11月のトランプ氏の勝利は、その後の混乱、分裂、憲法違反の暴挙を伴い、アメリカ国内の平和的で理性的な議論の終焉と、アメリカの世界的リーダーシップの終焉の両方に近づくことになるだろう。

 

本当に『シビル・ウォー』は的外れなのだろうか? トランプとトランプ主義に関する映画ではないのだろうか?