NYT Oct. 19, 2020

What Fans of ‘Herd Immunity’ Don’t Tell You

By John M. Barry

 

人びとは、自分が聞きたいことしか聞かない。

 

信頼される科学者たちがウイルス対策の転換を求める宣言“Great Barrington Declaration”を出した。集団免疫を実現する、と言う。十分に多くの人々が免疫を獲得することで感染は止まる。高リスクの人々に、より良い保護を与える。

 

こうした科学者は明らかに少数派である。ほとんどの医療関係者は、これが実行できないし、倫理に反する、と考えている。William Haseltineは「大量殺人だ」と非難した。

 

感染を抑える規制が多くの痛みを生じているのは確かだ。経済へのストレス、家庭内暴力、薬物の濫用、がん検診の減少。それゆえ、正常への回帰というアイデアは魅力的である。

 

その誘惑を受ける前に、宣言が触れない3つの省略を知るべきだ。第1に、低リスクの人々にも有害な影響があり、それは数年を経て明らかになる。まったく兆候の無い人でも、心臓や肺にダメージが現れる。

 

第2に、宣言は高リスクの人々にどのような保護を与えるのか、示さない。高齢者と同居している家族。25歳の糖尿病患者。癌の既往症。肥満。彼らも毎日仕事に行く。

 

第3に、集団免疫の達成までに、どれほど多くの人がこの政策によって死ぬか。ホワイトハウスが使っている予測モデルで、現在の規制でも、2月1日までに41万5000人が死ぬ。集団免疫のために規制が緩和されると、57万1000人を超える。そして2月1日を過ぎて、もっと増えていく。

 

それでも集団免疫は達成されないだろう。2月1日までに、私の予測ではまだ人口の25%しか感染していない。

 

40%の人口が免疫を得て集団免疫が達成されるとした場合でも、アメリカ人の死者数は80万人だ。おそらく100万人を超える。その後に現れる症状も含めて、恐ろしい代償である。

 

集団免疫の支持者はスウェーデンを例に挙げる。スウェーデンはそのような戦略を否定するが、経済活動や学校を閉鎖しなかった。隣接するデンマークとノルウェーは閉鎖を実施した。スウェーデンの死者数はデンマークの5倍、ノルウェーの11倍だ。多くの死者で、経済は繁栄したのか? 第2四半期のGDPの落ち込みで見ると、スウェーデン8.3%、デンマーク6.8%、ノルウェー5.1%であった。

 

代替策はあるのか? 公共医療の専門家が何か月も要求してきたように、ソーシャル・ディスタンシング、集団を避ける、マスクをつけ、手を洗い、感染経路を追跡する。自宅で隔離することや休業を求められた場合、必要な期間、必要な額の支援を行う。