テレビを観ていると、専門家会議を廃して、経済学者を加えた諮問委員会を創る、ということで、そのメンバーが質問に答えていました。コロナウイルス危機から経済が回復するために、「政府は何をするのか?」
第1に挙げたのは、マイナンバーとキャッシュレス決済で、ポイント還元25%を行うこと。しかし、コロナ対策とキャッシュレス決済の推進とを合わせた、政治家と官僚の発想に、不公平な、あるいは、不当な国民操作・機会主義を私は感じていました。今度は、マイナンバーも普及させる。なんて、《対策》の中身が薄い。
もう1つは、(飛ばし・中抜き疑惑のある)「Go To キャンペーン」です。これも、なんだ・・・これは? と思うものです。・・・地方経済・雇用の回復はもっぱら「観光業」で成り立つ、というのか? 観光に関係しない産業や雇用は、財政支援・振興策を得られないのか? 不公平で、不当な、何より、効果の怪しい、見通しのない財政赤字・公金浪費型選挙対策ではないでしょうか?
そして最後に、諮問委員会のその先生は、《対策》のポイントは「安心」です、と強調しました。マクロの経済モデルで、「安心」を欠くことの投資・消費への影響を分析したのかもしれません。でも、なんで「マイナンバーとキャッシュレス決済で、ポイント還元25%」なのか? 「Go To キャンペーン」なのか? ・・・何とも、がっかりした話でした。
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Reviewをまとめながら、《民主主義》という言葉を、2つの場面で多く読みました。1つは、アメリカの民主主義が不正義と不平等を正す力である、という主張です。
自分たちの手には改革するパワーがある、とNYTの社説は読者に呼びかけました。そして、富裕層だけに富とパワーを集中するようになった《資本主義》を、もっと多くの人が、豊かに、尊厳のある暮らしを送れるような、住宅や教育、医療サービスを平等に受けられる、自由社会を築くために、救い出そうと訴えます。
コロナウイルス危機で、朝から食糧配給所に並ぶ人たちがいます。それは《貧困》の烙印や差別につながるものではなく、さまざまな雇用や機会を提供する仕組みにもできるはずです。最低賃金を引き上げ、ウーバーなど、ギグワーカーにも労働組合の組織化を保障し、Gooogle、Amazonなどネットの大企業に課税し、独占を解体し、国民全体に医療や年金を保障する。できることはもっとあります。
もう1つは、中国が導入した国家安全法で、香港の自由と《民主主義》が死んだ、という訴えです。Joshua Wong黄之鋒やAgnes Chow周庭など、香港衆志Demosistoの創立メンバーが離脱し、団体は解散しました。
「香港は新しい時代に入った。」 体制側による白色テロ、恣意的な告発、記録に無い監獄、秘密裁判、自白の強要、メディアの弾圧、政治的検閲。香港は警察国家になった。「抗議デモに参加した者は、中国の法廷に送られて、終身刑になる可能性が高い。」
なぜ権力者はこんな弾圧に頼るのか? 中国の支配層は、香港を恐れている。香港のような大都市が、市民的な自由を求め、政府に対してもはっきりと反対する。諸都市に同じような民主化運動や抗議活動が広がるなら、共産党の支配は崩壊する。
もしそうなら、中国の指導者たちに必要なものは、《民主主義》です。
中国が改革開放のモデルとしたシンガポールに、今では反対政党の加わる選挙があり、人民行動党だけでなく、野党が政府を批判している。コロナウイルス危機で、感染の広がる貧しい外国人労働者に対する異なる姿勢、異なる政策を、具体的に提案し、議会や市中で論争している。
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NHK「かんさい熱視線」では、モノづくりの工場がコロナ危機に襲われている、と大阪の苦しい状況を伝えていました。大企業からの注文がなくなり、これから先がつらい。待っているわけにはいかない。新しい製品を開発して東京で売りたい、と動き始めました。・・・だいじょうぶか?
派遣労働者は3カ月ごとに再契約される。6月末から、失業が急増するだろう。職を失い、住宅を失い、所持金がなくなればホームレスになってしまう。大阪の駅前や商店街に、急速にホームレスが増えるのだろうか?
コロナウイルス危機で、諸外国でも政府が「最後の買い手」になっています。経済がどうなるのか、何をめざして投資するのか、政府は企業に見通しを与えることが重要です。マイナンバーより、地方経済や農業の再生を議論する方が、長期的な日本経済の再生に資するでしょう。
もし都市にホームレスが急増すれば、ベーシック・インカムや無料食堂の運営、安価な寮施設を提供する。高齢者のための住宅を建設し、都市を縮減・再設計してはどうでしょうか?
巨額の財政赤字と債務処理をめぐって、積極的に、日銀を含めた産業構造や地域経済の転換をめざす時期だと思います。
香港市民100万人を動かした黄之鋒を10人、周庭を10人、日本の《民主主義》にどうしても必要です。