NYT Oct. 27, 2019

Al-Baghdadi Is Dead. The Story Doesn’t End Here.

By Thomas L. Friedman

 

ISISの指導者Abu Bakr al-Baghdadiが死んだことは、確かに、よかった。ISISにレイプされた女性たち、斬首されたジャーナリストたち、暴行を受けた何万人ものシリアとイラクの人びとにとって、それは正義と言えるだろう。

 

しかし、話はこれで終わらない。多くの予想外の意味を持っている。

 

記者会見でトランプは、繰り返し、アメリカの諜報機関の人びとを称賛した。しかし、彼は知らないのか? 同じ人々が前の大統領選挙でロシアが介入していると教えたはずだ。ヒラリーではなく、あなたに投票するように、ロシアが介入した。

 

同じ諜報機関が、ホワイトハウスの権力乱用をチェックして、あなたがウクライナ大統領にジョー・バイデンの捜査を頼んだことを問題視し、弾劾審査が始まった。

 

ISISのal-Baghdadiを追いつめた諜報機関が、憲法に従って、ホワイトハウスでも、ロシアでも、ISISでも、民主主義に対する内外の脅威を阻止しようとしている。

 

これで中東が平和になると思うなら、それはあなたの無知を示すだけだ。オバマ政権がOsama bin Ladenを殺害したときと同じである。

 

中東の混乱は、宗教のイデオロギーよりも、ガバナンスの崩壊によって起きている。汚職と不正義があふれる社会こそ、過激な行動を広めるのだ。

 

トランプはシリアから米軍を引き上げたが、アメリカの石油企業が利益を出せる油田地帯には軍を残すことにした。彼は、イラク戦争に反対したことを自慢し、われわれはその支払いをイラクの油田地帯の占領によって求めるべきだ、と考える。

 

それは将来の困難をもたらす処方箋だ。アメリカはむしろ、中東各地における、穏健な、民主的社会を守るべきだろう。

 

FT October 30, 2019

A European security force in Syria is a courageous idea

Constanze Stelzenmüller

 

先週、ドイツの国防相Annegret Kramp-Karrenbauerは、この時代の深刻な人道的危機を封じ込めるために、通常には行わないような、勇気ある提案を示した。

 

アフガニスタンは「諸帝国の墓場」と言われてきた。しかし、西側諸国の墓場は、シリアである。8年におよぶ内戦は中東を不安定化した。サウジアラビア、カタール、イラン、そしてイランが支援するヒズボラが介入した。ロシアが地域における影響力を拡大した。

 

西側の諸政府が行動しなかったことが破滅を加速したのだ。Kramp-Karrenbauerの提案は、防衛負担の目標を達成するためでもあるが、その要点は、シリアにおけるヨーロッパの消極性を批判するものだ。それは道義的な無責任さだけでなく、ヨーロッパの安全保障を損なう。

 

アメリカ人が言うように、もしテーブルに席がないのであれば、あなたはメニューに載っている。つまり、喰われる側だ。