FT October 18, 2019
The latest Syrian crisis is a warning to Europe
Gérard Errera(French ambassador to Nato and the UK)
トランプが決定した米軍のシリア北部からの撤退は、米欧の大西洋同盟が無意味になったことを示す最新の、悲劇的な証拠である。
クルド人がキャンプで管理しているISISの容疑者たちは混乱の中で逃走し、西側の諸都市に惨劇をもたらすだろう。クルド人はシリア政府とロシアに保護を求め、ロシアがシリアとこの地域でパワーを拡大する。プーチンは、アメリカとその同盟諸国に代わって、中東のバランス・オブ・パワーで中心を占めるだろう。
ソ連崩壊以降、ヨーロッパの戦略的な価値は、アメリカにとって大幅に低下した。トランプは、前任者たちと違って、単にEUに関心を示さないだけでなく、EUの解体を公然と主張した。彼は最初からBrexitを歓迎した。
「アメリカ・ファースト」が変わらないと認めたヨーロッパの指導者たちは、その態度を変えた。ドイツのメルケル首相は「ヨーロッパは自分たちの運命を自分で決める」と述べ、フランスのマクロン大統領は「ヨーロッパの主権」という考えを支持した。
それが言葉だけでないためには、「ヨーロッパの利益」を定義し、集団でこれを守らねばならない。NATOは、その技術や貿易、金融、サイバー・セキュリティに十分な投資をしないことで、無意味になった。ヨーロッパは、ロシア、中国、アメリカに対して防衛する力がない。アメリカのドルや、国家を超えた制裁・法の強制がもたらす支配から逃れられない。これに対して、もっとユーロを強化し、ヨーロッパ・レベルで積極的な産業政策を実行するべきだ。
リベラルな民主主義、人権、事実に依拠することは、大西洋同盟の基礎であった。それが脅かされている。ヨーロッパは地政学と基本的価値を守るべきであり、シリアにおいてそれが試されている。
ベルリンの壁が崩れたとき、ゴルバチョフは東ドイツの指導者たちに警告した。「歴史は遅れた者を処罰する。」
ヨーロッパは同じ運命を避けるために行動せよ。