FT May 19, 2018
China offers protection amid the dance of the trillions
JAMES KYNGE
グローバル資本主義の最強の力は目に見えないものだ。何兆ドルもの投機的資本が、摩擦なく、新興経済に出入りしている。しかし、流出することは破局となりうるし、経済を破壊して、その再建に苦痛をもたらす。
今週、新興経済に集まる、最新の流動性パーティーが終わりに近づいた。アルゼンチンやトルコのように、投機の突風で打撃を受ける国もある。ドルが強くなるとき、根無し草の資本はドルに向かって還流し、発展途上国に犠牲となる国がある。それが金融的な天候の気圧配置と前線だ。
2008年の金融危機後、金融緩和が続いたために、発展途上諸国の非金融部門でドル融資が、10年前の1.5兆ドルから、昨年末には3.7兆ドルまで増えた。ドル高は債務の維持コストを増やし、投資家たちは債務国の審査を厳しくする。疑いがあれば、資本が流出する。問題は、最初の突風が台風になるか、ということだ。
トルコのエルドアン大統領のように、政治指導者が市場に挑戦しても無駄である。しかし、アナリストたちは新興市場の回復力に注目している。それは1990年代後半のアジア通貨危機にはなかったものだ。その最大の違いは、中国とアジア地域全体の台頭が、投機的な売り圧力に対する防波堤になっていることだ。
中国は今や世界第2の経済規模であり、人民元を守る外貨準備は3兆ドルもある。こうした中国の存在は、アメリカとドルの影響圏から離れる、もう1つの軌道があることを示している。2012年から2016年まで、世界の経済成長の34%は中国がもたらしたものであり、それはアメリカ・EU・日本の合計を超えている。製造業のサプライチェーンはアジア全体に広がり、その回復力を支えている。
北京は人民元の為替レートをドルに対して安定化しており、香港もそうだ。インドネシア・ルピーなど、アジアの通貨で下落したケースもあるが、その程度は抑えられている。米中貿易摩擦が高まれば、中国はますます経済の安定化に強い姿勢を示すだろう。米中のパワー・プレーが続く間、資本移動も中国の安定化に従う。