FT May 18, 2018
Tech lessons from Amazon’s battle in Seattle
GILLIAN TETT
Facebookが利用者のデータを正しく扱っていない、と論争される中で、Amazonアマゾンもシアトルで政治論争を刺激した。それはわずかな額である。しかし、投資家たちは、驚異的な成功がもたらした彼らの課題を知るために、注意しておくべきだ。
ホームレスの問題を解消するために、シアトル市は新しい課税を導入した。2000万ドル以上の売上げがある、市で活動する企業に、被雇用者1人当たり500ドルだ。
しかし、スターバックスやアマゾンは不満を示した。特に、アマゾンは強く抵抗し、シアトル中心部の拡張計画を中止した。今週、シアトル市は275ドルに引き下げた。4500万ドルほどの歳入を得る。
アマゾンのような企業にとって、4500万ドルは「はした金」である。アマゾンはシアトル地域に4万人を雇用し、16億ドルの純収益を4半期ごとに上げている。他方、誰もがシアトル市のホームレス問題や、その薬中毒への影響を認めている。ホームレスの多くが住む場所はアマゾンのオフィスにも近い。州が所得税と資産税を禁止しているから、シアトル市の増収策は限られている。
しかしアマゾンの最高経営責任者ベゾスは、「新しい課税に非常に失望した」と不満を隠さない。その声明は、要するに、「シアトル市から撤退するぞ」と脅迫したのだ。
ここには3つの問題が示されている。第1に、アメリカのデジタル大企業は、驚くほどに「外部性」を考慮しないことだ。自分たちが生み出す政治的・社会的生態系がどのようなコストを生じているのか、無関心だ。1つの理由は、シアトル市の左派的な政府が非効率である、と嫌っているからだ。また、アマゾンは、あまりにも急速に拡大し、また、極端に利潤だけを追求してきたからだ。地方政治やハイテクブームがもたらす社会の分断を知ろうとしない。
第2に、政策担当者とハイテク指導者は、その経済活動を地理的に分散する方法を見いだすべきだ。Googleがデータ・センターを分散する動きは始まっている。しかし、アマゾンが「分散化」と称して、第2本社の立地を大っぴらなコンテストにした。その結果は、ハイテク大企業にますます有利な条件を示す都市間の競争になった。アマゾンはさらに多くの税金を免除されるだろう。
第3に、諸都市はデジタル経済の成長を、賢明に、かつ効果的に、利用する方法を学ぶべきだ。デジタル革命が物的な立地を拡散するという楽観は、間違いであった。技術革新はますます都市部に集中している。それはボトルネックを生じ、住宅価格の高騰をもたらして、億万長者たちのオフィスや住宅のそばにホームレスの集まる場所が生まれる。解決に向けて、公共政策によるインフラの整備が必要だ。
ハイテク大企業の大成功と、富と権力の極端な不平等は、解決策を求めている。その意味で、シアトルとシリコンバレーは、その体温計である。