政治(という圧力・力学)、そしてガバナンスは、いたるところに存在します。こんな風に思いました。「国家は政治の容器、人は影。」 それは古代の魔術に近いものです。
The Economistのロシアに関する特集記事は、「ゴルバチョフの孫たち」でした。プーチンが4度目の大統領に就任したことで、彼を支える官僚、彼に反対するNGO、あるいは、新興企業家も、ゴルバチョフが未来を託した冷戦後のロシア世代です。
The Economistのドイツに関する特集記事は、「メルケルの子どもたち」です。ドイツは、いろいろな意味で変わりました。東西統一によって財政赤字が増え、「ヨーロッパの病人」と呼ばれるほど経済も衰退した後、シュレーダー首相は改革に成功しました。しかし、特に、メルケルが決断した難民受け入れは、人口8400万人のドイツに、2年間で120万人を受け入れたのです。
安定性を重視する、保守的な、平等主義的な、「社会的市場経済」の国であるドイツが、どれほど変わったか、特集記事は興味深く描いています。もちろん、ドイツは変わったはずです。東西再統一を経て、東ドイツの市場改革、ユーロの導入や東欧のEU新加盟諸国と新しい経済関係ができたからです。ドイツはEUの3大危機(ウクライナ、ユーロ、難民)に真正面から向き合い、その姿勢を問われ続けました。極右の政党やAfDのような反EUの政党も議会に登場しています。
しかし、これらがドイツを内向的な、鬱屈した政治に閉じ込めたのではなく、予想外に、素晴らしい姿を実現している、と知りました。メルケルの積極的な改革で女性が社会進出し、若者たちの新しいビジネスが起き、トルコからの移民の子供たちがドイツを愛する国民に加わって、ドイツのイメージを刷新しています。
では、安倍首相が日本の政治や精神を変えた後、この時代を生きる彼の子供たち、孫たちは、どのような日本の姿を目指すのでしょうか?
もしECBとユーロ圏を守るためにEU改革が進むとしたら、それはドイツ人のECB総裁によってである、と。同様に、日本の憲法改正と自衛隊の活動を厳格に法制化するのは立憲民主党の政権によってです。自民党が分裂し、安倍コネクションと右派、維新その他は合流すること、また自民党リベラル派は、立憲民主党と選挙協力することで、日本の政治にも新しい柔軟性とダイナミズムが生まれます。
・・・「国家は政治の容器、人は影。」
日本も、女性の進出を制度化し、移民・難民の受け入れを行い、Dambisa Moyoが提唱した改革を取り入れます。政治家の任期を伸ばし、政治以外の経験を求め、多選は禁止します。投票を義務化し、罰金を科します。政治献金を厳しく規制し、透明化します。メディアの社会的役割を重視し、有権者への教育を積極的に行います。日本の問題に近い外国のケースを挙げて、論争を喚起します。
基本原則に従うなら、米朝会談は合意可能です。北朝鮮は、安全保障と経済支援を求めており、アメリカ(と韓国、日本、国際社会)は、核武装を諦め、国際的なルールに従うことを求めています。北朝鮮は、いつでも合意を破棄でき、それに対する制裁は、北の経済統合や国際秩序への依存が少ない段階では、効果がないのです。
合意を保証するのは、未来の繁栄を分かち合う制度です。中国、ロシア、日本も参加する安全保障の枠組みを前提とした、経済援助・貿易・投資の増大です。