FP APRIL 26, 2018
Why Democracy Doesn’t Deliver
BY DAMBISA MOYO
アメリカ人の19%しか、政府は正しいことをする、と信じていない。他方、発展途上諸国の市民たちは、権威主義的指導者を民主的な政治家より信頼できる、と考えている。世界中で、ますます多くの人々が、民主的政府は効果的な行動を取れない、と疑っている。
この問題の根本にあるのは、短期的偏向(近視眼的な政治)である。それは現代の民主主義国家で、政治とビジネスに深く浸透している。
有権者たちは、一般に、自分たちの生活改善のための政策を選好し、将来世代や長期的結果は考慮しない。政治家も、有権者の当面の需要や欲求に応え、長期の成長を無視する。こうした民主主義システムで、低成長を変えるための構造改革はむつかしい。
最も根本的な問題は短期の選挙サイクルである。それはインフラ投資の不足に顕著である。中国やインドのインフラはもっと積極的に投資され、近代化されている。選挙の間隔をもっと長くするべきだ。
第2に、利益団体のロビー活動を抑えることだ。選挙サイクルが短いほど、政治家は個人と企業からの資金に依存することになる。それは公共政策を歪める。また、政治が富裕層の利益に偏り、貧富の格差が拡大する。
民主主義が機能するとき、経済成長と基本的な自由が保障される。それは他の政治システムでは実現できないことだ。民主主義の短期的偏向を是正する根本的な改革が必要である。
1.政権が代わっても、いったん法制化された政策には強くコミットする。政策の不確実性が成長を損なっている。
2.政治献金を厳しく規制して、富裕層の政治的影響力を制限する。
3.政治家の質を高めるため、民間部門の指導者の給与や成果に応じたボーナスに匹敵する報酬を支払う。
4.政治家の任期を長くする。
5.同時に、多選を禁止する。
6.政治家になるための要件を厳しくする。候補者たちは、政治以外の領域で働いた経験を持たねばならず、それはビジネスに限らない。
7.競争的な候補者のいない、「無風」の選挙区を減らす。政治家による選挙区変更を禁止する。
8.有権者は、彼らが選出した政治家の決定に究極的な責任を負うことを認める。
アメリカ人は他国の選挙制度から学ぶ必要がある。投票率の高い諸国は、投票を法によって強制している(Australia, Singapore, Belgium, and Liechtenstein)。少額の罰金でも効果がある。また、選挙区が小さいと富裕層の利益に偏りやすい。広い選挙区で強制投票制度を採用すれば、より効果的な経済政策が実現する。
有権者たちは、短期的な利益と、それが将来の経済成長に及ぼす影響を、学ぶ必要がある。個人の好みにより情報を得るだけでなく、質の高いメディアが重要である。
こうした改革は、単にBrexitやトランプの当選によって刺激されたもの、グローバリゼーションの逆転を求めるものではない。リベラルな民主主義が長期的成長をもたらすために必要だ。