トム・クランシーの小説,『米中開戦』を読んでいました.大国間でサイバー攻撃をどのように実行するのか,という前半のストーリーには興奮しました.現実に,さまざまな記事を読みます.ドローンによる攻撃がどのようにアメリカ国内の基地から行えるのか.敵対する国の原子力発電所を空爆するより,その管理システムを遠隔操作するウィルスを侵入させる.ロシアによる外国の選挙に対する干渉や非正規軍による侵攻は,フェイクニュースの拡散をFacebookやボット(自動応答システム)で行っただけで,歴史的に繰り返されてきました.

 

どのようなレベルの情報収集や外交を,私たちの世界は許すべきでしょうか?

 

コインチェックから580億円に相当する仮想通貨NEMが移転されました。盗まれた? ブロックチェーンによって移転はすべて追跡できるはずではないのか? 所有者は違法行為を立証されれば返還するのか? 司法システムを欠く仮想世界に裁判所や強制執行は存在するのか? ビットコインによる犯罪者の資金移転、政治家の巨額の収賄と秘密口座、マネーロンダリングが問題になっています.全額返還? あるいは,ネット銀行の取り付けが始まります。キプロスの銀行破たん.

 

そもそも仮想世界に隠れた人々は現実とのつながりを切り離して何かを正当化できるのか? ロンドンの別荘を買うロシアや中東の超資産家たち.

 

日本の地方都市は,急速な高齢化と人口減少の最前線です.コンパクト・シティへの転換が求められます.健康に長生きすること.幸せに暮らせること.子や孫への財政的な負担を軽くすること.そして,苦しまずに死ねること.

 

栃の心の優勝は日本を明るくしました.しかし,ジョージア(かつてはロシア語名のグルジア)について,大相撲では何も解説しません.スターリンだけでなく,シュワルナゼ,サーカシビリを結びつけて,その歴史と現状を解説してほしいです.The Economistは伝えます.

 

「トビリシの魅力的な旧市街地を行けば,木製のバルコニーに,ワインを試飲できます,という表示が下がっている.それはジョージア語や英語であるのと同じくらい,ロシア語であるだろう.・・・2008年,ロシアとジョージアとの間に起きた戦争の後,ロシア人の旅行者は来なくなった.しかし今,ロシア語は戻ってきた.旅行者とともに.」

 

アメリカのブッシュ政権を巻き込んでロシアとNATOとの戦争を挑発したサーカシビリの強烈な政治指導力が暴走し,この国で最も裕福なイワニシュビリBidzina, Ivanishviliによる野党連合「ジョージアの夢」によって退けられた後,ロシアともプラグマティックな関係を模索しています.しかし,この大富豪による権力への干渉も,ビジョンを欠き,危険であることに市民たちは不満を感じます.

 

The Economistは富山市の森雅志市長にインタビューしています.路面電車を復活させ,人口流入と地価上昇を実現した数少ない成功例として.「日本は大規模な移民を受け入れないだろう.・・・唯一の代替案は,より少ない人口で生きる,その方法を学ぶことだ.」 復活した路面電車の駅を中心に,高齢者の住居を再編します.そのための住宅建設に補助金を出しました.

 

私はさらに,都市の周辺部から老朽化した住宅を撤去し,廃棄された農地も地方政府が買い上げて,森林を回復してはどうか,と思います.

 

バブル破たん後のデフレに飽き,大震災や福島原発後の人口減少社会に倦んだ人々が,カジノ誘致,ビットコインと仮想通貨への投機に熱狂する姿を,政治の貧困が助長していると思います.高齢化する社会だからこそ,根本問題を政治は問うべきです.原発・核兵器や米軍基地,移民受け入れに関して,国民に新しい合意を形成する積極的な政治論争,改憲をめぐる党派再編を私は望みます.

 

小説の結末は,あっけない軍事攻撃です.中国の軍事指導者は暗殺され,国家主席は自殺します.富山市やジョージアの試行錯誤から,私たちは多くを学びます.