報道特集を観ました.高島市サポートセンターの話です.
47歳の男性は,知的障害があります.18歳の時に母が亡くなり,父とは音信不通です.仕事がなく,食べ物を盗んだりして,刑務所に入りました.
彼には誰も頼る人がおらず,孤独で,人とのつながりがありません.サポートセンターのスタッフ,保健師や精神科医が,彼の生活を支えています.どこかの施設に入るより,自分で暮らしたい,という本人の希望を実現することが,彼にとっても,社会にとっても,望ましいのではないか,と伴走型支援を担うスタッフは考えています.
彼のために生活保護を申請し,その給付額から1日当たり1000円を渡して,何に使うのか相談に乗ります.部屋を借りますが,男性は部屋の片づけや掃除が十分にできないため,スタッフが定期的に訪問して手伝います.ゴミだらけになったり,虫が入ったりしているのを彼に注意して,少しでも自分で生活できるように支援します.
刑務所は良かった.食事も3度,食べれた・・・.男性は,少し残念そうに言います.しかし,支援スタッフが一緒にスーパーマーケットへ出向き,彼の行動を観察します.お店に入って,値段を考えずにほしいものをかごに入れる,その様子を観て,スタッフは彼に買い物の仕方を助言するのです.
さらにスタッフは,男性に電車の乗り方を教えました.彼の家からサポートセンターまで,自分で通うことができるように.そして,実際に一人で通うことで,自信を持って話すようになります.彼に勧めて,共同作業所に連れて行きます.たえ少しでも,仕事の報酬を得られることに彼は意欲を示します.
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NHK日曜討論で河野太郎外務大臣が語っていました.北朝鮮の核危機,拉致問題,中国,韓国,ロシアとの関係について,慎重に,説得的に,日本の外交姿勢を説明しました.
その語り口を聴きながら,タカ派の政権に入ったハト派の,リベラルな国際秩序を重視する政治家が,どのような外交政策を展開するのか,私は期待したいと思いました.
日本がアメリカ(そして韓国)との安全保障共同体を形成しているのであれば,ヨーロッパの共通通貨にも似た,政治統合の問題が常に重要になります.安倍首相が,トランプ大統領やプーチン大統領との関係を重視する一方で,河野外相は中国との関係改善に重要な役割を担うのです.
それは,確かに,ありえないような組み合わせですが,内閣を組織した以上,彼らは話し合っているはずです.今,強大な圧力の下で,権力の容器が飛躍するしかないのだ,と思いました.
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9月の始業式を,深い悩みや不安とともに迎えた若者が,各地で自殺しました.自殺しない者も,多くが今も苦しんでいるのでしょう.
帝国ホテルのラウンドリーで働く男性は,高校卒業後にホテルに勤め,その後,このラウンドリー部門を希望して配属され,そこで技を磨きました.彼はその仕事に誇りを持ち,精一杯,満足できる状態で衣類を仕上げ,宿泊客に返します.
いい仕事がしたい,とだれもが心から望むはずです.それを実現できる社会や国際秩序であってほしい,と思います.