FBIに採用されたこともある10mmオート、S&W M1076 | ジャック天野のガンダイジェスト

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スモールアームズ(小火器)に関するエッセイです。同じアメブロで書いていたブログを継続して、不定期で更新して行きます。

10mmオート(10X25mm)弾を使う自動拳銃と言えばBren Tenが有名ですが、ほかのメーカーも一時この10mmオートの自動拳銃を製造していました。その中でいちばん有名なのがスミス&ウェッソンのS&W M1000シリーズです。M1006を皮切りにM1026、M1046、M1066、M1076、M1086が1990年から1995年にわたって製造されました。そのうちM1076は「FBIモデル」と名付けられています。それはFBIがそれまで使用していた.38スペシャルのリボルバーや9mmパラベラムの自動拳銃では火力不足と判断したからです。そのきっかけは1986年にマイアミで起きたFBI捜査官と銀行強盗との銃撃戦で、強盗のひとりはルガーミニ-14自動小銃を持ち、2名のFBIエージェントを射殺し、5名のエージェントを負傷させたからです。このため、FBIは制式拳銃として10mmオート弾を使うS&W M1076を選定しました。ショートリコイル式のダブルアクションオートで、銃身長は4インチ、弾倉には9発の10mmオート弾が装填可能でした。しかし、反動が強すぎるなどの問題があったために、予定の10,000丁から大幅に削減され、2,500丁あまりが納入されました。そして、FBIは.40S&Wのグロックを採用することになったのでした。