ニュージーランドの乱射テロ事件でまたもやAR-15クローンが使用された | ジャック天野のガンダイジェスト

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スモールアームズ(小火器)に関するエッセイです。同じアメブロで書いていたブログを継続して、不定期で更新して行きます。

ニュージーランドの最大の都市クライストチャーチの2つのイスラム教寺院(モスク)が白人至上主義者の28歳のオーストラリア人によって襲撃され、50名が犠牲になり、50名が入院する(うち2名は重体)という乱射テロ事件が起きました。容疑者のブレントン・ハリソン・タラントは日本製のクルマ(スバル・レガシー)に2挺の自動小銃、2挺のショットガン、1挺のボルトアクションライフル、それに手製爆弾まで積んで、モスクへ単身侵入し、モスクの内外にいたイスラム教信者たちを無差別に撃ち、とどめまで刺す念の入れようでした。しかも、その様子を頭に装着したアクションカメラ(小型軽量の動画カメラ、たとえばGoPro)で撮影し、SNSにアップするという異常性を見せました(ここ)。

 

この動画はあっという間に拡散しましたが、ほとんどがプロバイダーによって削除され、現在では見ることができません。この動画を見ると、容疑者はゲーム感覚でこの乱射テロ事件を起こしているとしか思えないほど、冷静に大量虐殺を実行しています。動画は容疑者が車を運転している車内の様子から、車を止めて、モスクに侵入し、銃撃する有様が克明に映し出されていて、目を覆いたくなるものです。最初は自動式のショットガンでモスク入り口の信者たちを倒し、モスク内部ではフラッシュライト付きの自動小銃で、信者をつぎつぎと狙撃して行きます。ショットガンは9発の12番径の散弾を装てんできるモスバーグ930SPX(写真上)と思われます。その弾が尽きると、こんどは自動小銃に持ち替えて乱射をするのですが、どうやらAR-15クローンのアメリカ製LWRCI(写真中)のようです。ドットサイトを付け、また銃口下部にはフラッシュライトを装着しています。そして、4度弾倉を交換して撃ち続けますが、5度目に交換したときにジャム(薬室詰まり)が起きて、いったん車に戻ります。そして、別のAR-15クローンであるアメリカ製LMT SPM10に見える自動小銃(写真下)に持ち替え、ふたたびモスクに戻って、とどめを刺す銃撃をして車に戻るところまでが動画に記録されています。ボルトアクションライフルは使用されていないようです。

 

銃器はいずれも白のペンキで、一説によると、イスラム国などのテロリストたちに殺された犠牲者の名前が書かれていて、AR-15クローンであることはわかるのですが、完全な特定はできません。また、弾倉、銃床、サイトなどアクセサリーを変えてあるため、なおさら特定がむずかしいです。容疑者は無傷で逮捕されているので、そのうち動機や使用銃器についての詳細なニュースが出るかも知れません。その時にはこのブログを訂正したいと思っています。