銃規制の厳しいドイツでの乱射事件で使われたグロック17 | ジャック天野のガンダイジェスト

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スモールアームズ(小火器)に関するエッセイです。同じアメブロで書いていたブログを継続して、不定期で更新して行きます。

7月22日(ヨーロッパ標準時)に、ドイツ南部バイエルン州の首都であるミュンヘンで、拳銃乱射事件が起き、9人が死亡し、容疑者も自殺しました。容疑者はイランとドイツの二重国籍を持つイラン系ドイツ人の18歳の青年でした。この事件で衝撃的だったのは、アメリカなどとちがって銃規制が厳しく、所持を許可されているのは数少ない国民であるはずのドイツで、容疑者が拳銃を白昼乱射したことです。所持ライセンスを得るのはむずかしく、とくに移民はほとんどライセンスをとることはできません。このため、容疑者は不法に凶器の拳銃を入手したものと思われます。

使用したのはオーストリア製のグロック17でした。グロックと言えば、ポリマー(プラスチックの一種)を多用した設計により、現在では各国の軍隊や警察で制式化されている拳銃です。グロック17はその名称どおりに、ダブルコラム弾倉に17発の9ミリパラべラム弾(9mmX19弾)を装填できるダブルアクションの自動拳銃です。報道によると、容疑者は合計300発におよぶ9mmX19弾を所持していたようで、さらに犠牲者が増える可能性があったのです。グロック17はアメリカの乱射事件でも使われ、全世界的に犯罪にも多く使われる結果となっています。

ドイツではメルケル首相が事件の犠牲者に弔意を表しつつも、これからも難民受け入れ政策は続けていくと言明しています。銃規制に対してはより厳しくなるでしょうが、インターネットの闇サイトで銃が買えてしまう現状では、この種の乱射事件を防ぐのは非常にむずかしいと言えます。