ブログネタ:優しくなりたい? 参加中
私は[たぶん]なりたい派
愛想笑いが今日も 綺麗な空の下
恥ずかしくて笑えない 頭の中を見せたい
叫びたいことが 叫べなくなって
どれくらいの日々が過ぎてくだろう
僕の場所は 僕の場所は
ベランダ干した洗濯物の隙間
ちょろい水で冷えた風と
たまに見える空が綺麗だね
誰でも一度は躓くだろう
自分の存在って何だ?
こないだ行った資料館に写っていた人達は泣いた
計れないものを 僕らに残してくれた
学校のクラス替えのように
時代を分けられたかな?
僕は何を残す?
僕は何を叫ぶ?
僕は何を迷う?
僕は何を生きる?
答えなんか 答えなんか
どこにだってないし
何もわかりはしない
ただそのヒントを僕らは探してる
本当を隠す 愛想笑いしながら
僕の場所は ここじゃ狭いんだ
もっと大勢の前で叫びたいんだ
衝動的にあふれる感情
僕の声で出した 今日の昼下がり
空が綺麗だね
【伊藤サチコ/僕の場所】
田辺が先手を主張すると見せかけて、1コーナーを回ったら勝浦がすんなり奪い返していた。
この瞬間に逃げ馬の騎手同士が、互いの意志の疎通によって[折り合った]。
当然刻まれるのはスローに近い平均ペース。
その流れの先団に乗って、剛腕で抑え込むウィリアムズ。
やはりこういう競馬を[してしまった]か。
好発を決めたC.デムーロとロゴタイプはその直後。
間も前後一頭分ずつ空いていて、ビタ付けされることもなく、こんな絶好の位置を簡単に取れてしまっていいのだろうか?と思ったほど。
このまま平均ペースで流れてゆくのか?
そんな時、男藤田がハミを緩めて上がってゆく。
ガツンと掛かったのか?と一瞬思ったが…
フォームは崩れていないし、確信犯的に行かせたのだけはわかる。
ハナまで並びかけ、これでペースアップか?と思いきや、藤田がハナに立った時点で勝浦はアッサリ引いて、この時点でまた2頭で[折り合ってしまい]実際のペースはほとんど上がらないまま。
これが藤田の[恫喝逃げ]の片鱗。
ハナを切ったのが、夏のローカルで福島新潟組の田辺だったら、あるいはペースが上がったかもしれない。
だが、夏の北海道を主戦場にしていた勝浦は、藤田が来たら競り合えないことが、身に染みついてしまっている。
北海道組は、[藤田が来たら引くしかない]のだ。
そこまで計算したかのような確信犯、とまで言い切ってしまったら、言い過ぎだろうか?
そんな緩めの流れを福永は、皐月賞とは逆に、馬を最内に閉じ込めることで乗り切ろうとしていた。
それでもただ一頭この馬だけが、窮屈な走りで掛かり気味のぎくしゃくした動きをし続けている。
そして、躓いた。
落馬寸前の不利。それをどうにか食い止め、位置取りをほとんど下げることなく凌ぎ切った福永の執念。
キズナは内々をケツ3で回って、いつも通り、ほとんどパワーロスのないリラックスした走り。
先行2頭は、前が残れるギリギリのラップで凌ぎ合いながら直線。
勝浦は早くも手綱をしごいて交わしにかかり、藤田もまた掛かって消耗した訳ではないから、余力を残してしぶとく食い下がる。
切れ味勝負では分がないアポロソニック。
気性とか怖がりとかそんな理由で逃げてる訳ではなく、血肉に染み付いた根っからのアメリカン。
しかし、この馬の典型的アメリカンなレーススタイルをここまで全開で発揮できるペースになってしまうとは…
全く垂れそうもない2頭を直後から見ていた外国人二人は、結果この流れに乗ってしまったことになる。
この時点でマイラーであるコディーノの勝ち目は消えた。
典さんだったら、こんな単純な競馬は絶対にしなかったはずだ。
ロゴタイプは来ている。伸びている。
しかしアポロソニックに近い味の競馬をするこの馬が、脚が溜まらないままアポロやメイケイを交わすための切れを要求されたことで、一気に分が悪くなる。
落馬寸前の不利をはねのけ、福永はうまく中央から外に持ち出して、直線勝負に移っていた。
そしてキズナ…
4角手間で、最内から1頭分外に出ていて、いつでも斜め大外に出せる準備を怠らない武豊騎手。
しかし、大外をぶん回すようなバカな乗り方など、今の感電しそうほどナチュラルに高ぶったこの人のモチベーションから言ってありえない。
タマモとマイネルの間に狙いを定め、空いたら突っ込ませる構えの武豊さん。
ついこの前も見た…
回りが違うだけで、これと全く光景。
京都新聞杯の直線も、武豊さんは大外ではなく、外に一頭馬がいる場所をあえて割って来たのだ。
トライアルで予習させたことを、そのまま本番で寸分狂わず活かしに来るとは。
なんという凄い騎手。
なんて恐ろしい騎手なんだ!
そして、こんな凄まじい武豊を再び東京2400のこの舞台で見れる日が来るなんて!
武豊さんは脚色のない柴田大知マイネルホウオウに斜めに馬体を寄せ、外に弾いて、一気に抜けていった。
粘るメイケイの脚が鈍りかけ、アメリカンパワーで重戦車のように伸び続けるアポロソニック。
そしてロゴタイプに、距離経験を生かしてペプチドアマゾンまで加わった1着争いを、ついに福永とエピファネイアが切れで制する形に持ち込む。
なんつぅ馬だ…
確かにソエでもレースは走れる。
しかし臨戦過程を含めたゴールまでの間に、何か一つでも躓いたら、普通GⅠは勝てない。ましてやダービーの舞台は…
まともに走れるようになったら、いったいどんな化け物になるんだろう?
落馬寸前の不利を人馬一体ではねのけて、ついにダービーのゴールに飛び込もうとする寸前…
ノースヒルズの勝負服をまとった二万頭に一頭の豪脚が、大外から一気に緑の府中を切り裂いていた。
日曜のスポニチに恒例の公営騎手のダービー予想が載っていた。
的場先生はエピファネイア、天才御神本はロゴタイプを推していたけど…
一番しっくりと来たのは船橋のホープ森泰斗の言葉だった。
[やっぱりキズナじゃないですか?スター性がありますよね]
ロジックやサダムパテックで勝ったGⅠは、武豊騎手の技量から結果的に紡ぎ出されたおまけみたいなもので…本当の居場所ではない。
武豊騎手の本領は、どんな位置で競馬しても安心して乗れるスターホースの力量を誰よりも鮮やかに引き出して見せることだろう。
そして武豊さんがこの鞍上のためにあるような血統馬に再び出会った時、このダービーの舞台に向けて、人馬のモチベーション、ポテンシャル、スター性…すべてが他を凌駕して、さらに弟の武幸四郎までがオークスで露払いを務めて、この日へのお膳立てを整えていた気がする。
再び馬に乗る日のために、再起不能とまで言われた怪我からの復帰を目指して執念のリハビリを続ける哲三さん。
誰よりもキズナとともにこの舞台に立つ日を夢見ていたことだろう。
そして名手佐藤哲三は必ず魂の騎乗を見せに競馬場に戻ってくる。
けど、今日のゴール前を見て、さすがの彼も自問自答したんじゃないだろうか?
[もし豊さんじゃなく、オレが乗ってたとしたら…あんなに鮮やかにダービーを勝てただろうか?]
そんな風に思えてくるほど、この日の舞台を切り裂いたキズナと武豊さんは、完璧だった☆