真夜中のギター (天皇賞・秋) | ☆まけうまブログ★

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徒然なるままに日暮らしスマホに向かひて心に浮かぶよしなしごとを競べ馬の有様とともに書きつらねる自己満ブログ。
前半はよしなしごと、後半はレース回顧。
競馬道は一にも二にも検証の積み重ね。怠ればハズレ馬券が山と成す。

ブログネタ:家に1人でいるときの服装、他人に見せられる? 参加中

起きてる?
すでに読者なんか誰もいなくなったような頃に、思い出したように書きに来る気まぐれブログ★

ちなみに書きたいレースも本当は山ほどあったんだけど…
ブログ書くのは集中が必要だから、単純に仕事で時間がない!
それだけの話です。


仕事中は、最近車でラジオを聴いている。
ラジオというメディアは、この21世紀において、リスナー(ユーザー)に集中を強いないという意味で、極めて優れたコンテンツだ。
駅の階段で歩きスマホ組と激突する危険性は日常茶飯事だが、駅でラジオを聴いてて危ないことなどほとんどない。
ましてカーステから流してるのはAFN、洋楽もほとんど解読不能な英語も、BGMとして聴き流してたまに口ずさんでるだけで、ベクトルは集中よりも拡散に向かって働く。

ただ仕事で週3回ほど組む210部長はNACK5派なので、その時は大将のしょうもないおやぢギャグに調子を合わせつつ、鬼魂やアニメ声の女子プロレスラーの番組や松山千春のON THE RADIOなんかを聴くともなく聴いてるわけだが…
毎週金曜日は懐メロばかり流れる番組をやってて、妙にテンションが上がってしまう事態に遭遇する。
その番組が終わると夜中なのに大野勢太郎が登場したりするので、なかなか気が抜けない困った曜日なのだ。

この前は[そんなヒロシに騙されて]が流れて来たけど、原由子でも高田みづえでもなく、Juicey Fruitのバージョンを流すというマニアックぶり。

(特に初期の)作曲家桑田佳祐は紛れもない天才だが、作詞家桑田佳祐は確信犯的に自分の名曲をぶち壊す違う意味での天才だと思う。
風のように歌い切る原由子の[そんなヒロシ…]はどこまで行ってもサザンそのものの軽やかな哀愁だし、高田みづえの歌は何か心を震わせる切なさを帯びている。
対してJuicey Fruitは完全に歌詞通りの[歌謡曲]★
ボーカリストによってこれだけ風味の違いが出てくるのも、完全にこのメロディにこの詞あり、だからではないかな?

ちょうどその時、DJがチラッと高田みづえの[私はピアノ]に触れてたけど…
どうせならそっちをかけてほしかったなと。

高田みづえが大関若嶋津と結婚して引退が決まっていた最後の頃に、確か関西系の夜のトーク番組に出演したことがあって…
スランプだった時にこの曲に出会えた思い出を語っていて、番組の最後に[私はピアノ]を歌ったのだ。
特に涙も流さず、感情を溢れさせるでもなく、淡々と歌い切る引退間際の高田みづえのすがすがしい姿が、メロディとともに、子供心に焼きついている。

だから原由子の歌うサザンの[私はピアノ]を聴いても、違う!と思ってしまうのだ。

もちろん異論は認める。

だいたいこの曲のタイトルと歌詞…
私はピアノ⇒ピアノは私⇒ピアノ(私)に問い掛けてみたけど⇒繰り返すのはただLonely Play…
この名曲を、桑田佳祐お得意のエロ隠喩で最後に思い切りぶち壊してしまうんだから。
つまりタイトルと歌詞の意味に気付いた瞬間に、ボーカリストは汚れ役になるわけで…
原由子の歌い方には風のような心地好さがあって、桑田佳祐の多少エグい隠喩を含んだ曲もサラリと歌い飛ばしてしまうから、Lonely Play…で終わって本来苦笑いでずっこけるべき[私はピアノ]なんて、本当は原坊以外が[歌うべき曲]ではないのかもしれない。

芸能界はそれを二十歳の高田みづえに歌わせてしまうのだが、歌わせたいと思わせるだけの曲なのは事実で、結果大ヒットを飛ばす。
本人も(たぶん承知で)ケロッと歌ってしまう。
そんな高田みづえのボーカルには、Lonely Playの意味を曖昧なままに封じ込めてしまうような切なさと力強さがあふれていて、この曲に賭ける高田みづえの渾身のプロ魂を感じさせられる。

故に高田みづえバージョンが今でも自分の中で、[京王杯 私はピアノS GⅡ]の不動の鉄板◎であり続けているのだと思う。

実際、高田みづえの歌には未だにフレーズが時々脳裏によぎって、知らないうちに口ずさんでしまう曲がたくさんある。
[潮騒のメロディー]、[夢伝説]、[秋冬]、[真夜中のギター]…etc
なぜかと言えば、高田みづえは[ドリフ大爆笑]や[カックラキン大放送]みたいなバラエティーにしょっちゅう出演して、とんでもない汚れキャラをやらされていたからだ。
当時のバラエティー番組には途中や最後に歌のコーナーがあって、一線級の歌手が出演すれば、ほぼ必ず最新曲を歌っていた。
コントと歌のギャップもまた演出の一つだったのかもしれないが、そうやって視聴者の耳に自然に刷り込まれてゆく。
バラエティ番組自体がレコードのセールスに直結していた時代だったのだ。
高田みづえはバラエティーの出演回数が図抜けていたから、当然自動的に耳に残る。
しかし、どんなコントをやってたのかはほとんど覚えてないのに、歌だけがずっと記憶に残り続けるのは、単なる番組による刷り込みではない。

当然、高田みづえの歌がとんでもなく上手いからだ☆

金曜日といえば、20時から[太陽にほえろ!]が始まるから、その前座の[カックラキン大放送]からすでにわくわくしながら見ていた。
そこで19時50分くらいに高田みづえが歌うんだよね。
初めてカックラキンで[真夜中のギター]を聴いた時…
それがカバー曲とは知らないちびっこな自分は、いつのまにか眼が潤んでくるほど切なくなって…
なんていい曲なんだろう!
高田みづえのちょっと垂れ目な表情の変化の少ない涼しげな丸顔をみてると、太陽にほえろ!のわくわく感すら吹っ飛んでしまうほどだった☆

当時の高田みづえはアイドルの括りだったと思うけど…かわいいとかキレイなお姉さんみたいな印象はほとんどなくて、ただ歌だけが切ないくらい心に沁み込んできた。

後で聴いた、本家版よりも、高田みづえの方がテレビで歌っていた歌詞の違う(2番?)[真夜中のギター]の方がずっと心に響いた。

元歌を自分の中に取り込んで、情感をスケールアップして歌い切ってしまう。
そのくらい正真正銘、本物の歌手だった。

で、高田みづえの歌が聴きたくなってYouTubeをいろいろ探してたら、森昌子とデュエットしてる動画をみつけたんだけど…
高田みづえの歌唱力は、信じ難いことに森昌子をすら圧倒していたのだった☆

別に較べることでもないんだろうけど…
AKBとかその亜流みたいな大量のアイドル量産システムの中に、一人でも高田みづえレベルの子は混ざっていないんだろうか?
いてもいいんじゃないかと思うんだけどな…
誰のどんな曲を歌っても切なく心を震わせるレベルのボーカル力を持ったアイドルが一人くらい。

YouTubeで[真夜中のギター]を聴いて久しぶりにウルっと来て、思わずAmazonで買ってしまった高田みづえBest Collection(⇒13曲入り)☆
損した感は一切なく、安い買い物には違いない。
が!
誰も見てないのをいいことに母校マーキュリー高校のダサいグリーンのジャージを着て、家でゴロゴロ寝そべりながら、13曲聴いてようやく気付いたのだ…

[このCD、真夜中のギター入ってねぇじゃん!]




武豊さんは勝っても勝っても終始エイシンヒカリに辛口だった。
サイレンススズカの背中を知る男からすれば、気性や脚質からしてもGⅠで戦い抜くには数段レベルが落ちることをわかっているに違いない。
だからこそ武豊騎手は前から控える競馬を試したがっていた。

[控えても競馬できるはすですけどね]

一方坂口調教師は、ああいう馬なんやから行っちまえばいいんだ、と前から言っている。
持ち時計があるだけに、逃げて自分の競馬をすれば結果はついてくるということだろう。

つまり結果は出ているものの、鞍上と陣営の齟齬はどこかで続いていて、その葛藤が名手武豊に戦術的な迷いをもたらす。

その隙を田辺が衝いた。

馬産地の隣人はパドックを見て、エイシンヒカリはイレ込んでてダメっす!とLINEしてきたが…
田辺クラレントの奇襲逃げによって、後手に回ったエイシンヒカリはその気性も災いして全く自分の形で競馬ができなくなった。

菊花賞を見てもわかる通り、馬は栗東が強くても、騎手のレベル全体は美浦の方が数段高い。
この戦法で微妙に長い2000mでキッチリとクラレントを賞金圏内の6着に残した勝負師田辺。
名手武豊ですらしてやられたこの時点で自分の中で一番怖い一頭が消えた。

ラブリーデイが負けるわけがない、と思っていた。

遠くはメジロマックイーン、最近ではジャスタウェイ。
古馬になって覚醒した馬はそう簡単に劣化しない。
何より今年になってGⅠ含む重賞5勝って、そんな馬見たことあるか?
枠も絶好、左回りも別に大丈夫。
それが当日15時の時点で単勝3.9倍。
最近の競馬ファンは恐ろしく馬券が上手いよね、と思っていたけど…
どうかしてるよ。

単勝を買い込み、相手も4点に絞って馬単。
それでいいや、と思っていた。
ところが相手に選んだそのうちの2頭がスタート直後、つまり大昔にマックイーンがやらかした辺りで思い切りゴチャッと不利を受けて、位置取りを下げてしまった。
これが東京2000、外枠の恐ろしさでもあるけど…
こんな誰もが気をつけて乗るはずのコースですら、気が回らないのが菱田という騎手。
無欲で溜めて乗った時とかいい所ある騎手だと思うんだけど…とにかくレース運びが雑でしょうがない。
昔、五十嵐冬樹に[福島で乗ってろ!]と言った騎手がいたけど、菱田も東京でGⅠ乗るならもう少し勉強してから来てくれと思う。

一方浜中は前半多少掛かりつつも、いい位置を取ってインでピタッと脚を溜める。
隊列が決まった時点で勝ち馬がわかってしまったくらい、本命馬の騎乗としては申し分ない安全な競馬。
面白みのかけらもないほど、見事な代打らしい騎乗だけど…
むしろそれが簡単に出来てしまう所が、今のラブリーデイの強さが本物である証。

元値の脚が違うから、先行2頭の後ろから斜めに外に持ち出しても、後続に不利は与えない。
結果的に詰め寄られたのは早めのスパートだったからで、凌ぎ切る確信が浜中にあれば、これ以上安全な競馬はない。

おそらくこれで完勝、まず頭は堅い。
問題は不利を受けたイスラボニータとショウナンパンドラが飛んで来てくれるかどうかだけだ。

さすがに蛯名さんも池添も勝負師だ。
不利を喰らっても肚を括って溜めるだけ溜めて一縷の可能性に渾身の勝負を掛けて来る。

大外にぶん回したショウナンはかなり後ろだけど、イスラボニータは勝負圏内に入って来てる!
来てるけど…その内のおまえは誰だよ、ステファノスじゃねぇか!
この馬はもうすぐ本格化する…間違いなく強くなる…と思って買えば微妙な着順…買わなきゃ来る…香港で2着とか馬券買えないような所で来るなよ!
確かに戸崎と東京と相性はいいけど…2000も大丈夫だけど…こりゃまだ足りないなと思わせておいて、ここで来るのかアホ~!

イスラボニータはやはりキャラ的にすべてが上手く行ってこその馬だし、最後はパンドラちゃんも物凄い脚でぶっ飛んで来たけど…
ラブリーデイがあんな上がりで抜け出してたら、どうやっても頭まで届くわけがない。

結果的に、終始ソツなく立ち回ってキレを引き出した戸崎にキッチリ2着をさらわれたのもやむを得ないだろう。

これも競馬…ましてGⅠ。
単勝持ってるだけマシじゃねぇか。

強い馬が勝つべくして勝った競馬。
勝ったラブリーデイの競馬はそれ自体、感動的に美しい。
これがGⅠ馬だ。

しかしレース自体の感動は何か恐ろしく薄い。

ラブリーデイのせいでも、ステファノスのせいでもない。

強いて言えば菱田の馬鹿野郎のせいだろうな。

一瞬のつまらない出来事が、レースそのものを一瞬にしてつまらないものにする。


空を見上げて、YouTubeで真夜中のギターでも聴いて寝ようかな☆