火花女 (スパーキングレディーC) | ☆まけうまブログ★

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徒然なるままに日暮らしスマホに向かひて心に浮かぶよしなしごとを競べ馬の有様とともに書きつらねる自己満ブログ。
前半はよしなしごと、後半はレース回顧。
競馬道は一にも二にも検証の積み重ね。怠ればハズレ馬券が山と成す。

3連覇したラヴェリータが去った今年のスパーキングレディーカップ。
ダート牝馬戦線には、グラッブユアハートみたいな、こいつが出てくれば負けないという鉄板級の最強馬が存在することが多い。
こういう奴は牝馬限定交流重賞でさえあればコース距離問わず問答無用に圧勝して、タダ貰い同然に賞金をかき集める。
当然払戻もスカスカになってしまう何ともタチの悪い連中だ。
グラッブユアハートが出てくるまではレマーズガールがそういう存在だったし、ラヴェリータの地位を崩してミラクルレジェンドが登場して今日に至る。

本来ならミラクルレジェンドが出て来た時点で、このレースも頭鉄板のはずだった。
しかし、最初からここを使うつもりなら、なんで帝王賞に出すかなぁ。

ちなみに藤原英昭調教師のコメント⇒
[内で窮屈になって不完全燃焼、力を出し切っていない。カイバをしっかり食べているし、ダメージはない]

ちなみに文豪菊地寛の競馬格言にこんなのがあった⇒
[厩舎情報信ずべし、信ずるべからず]
どっちやねん!と突っ込みたくなる人も多いだろうけど、これを含蓄のある言葉として捉えるならば…
[厩舎のコメントは情報としてありがたく受け取っておく。それを鵜呑みにせず、自分の眼で是非を判断したまえ諸君!]
という意味だと自分は解釈している。

一連のオルフェーヴルの件があったために、栗東屈指の調教師の発言といっても怪しいものだ、と世間的に一番感じている時期。
自分は池江調教師のコメントが、負けた時のアリバイ作りだと思っていたので、ハナから聞き流して、単純にまともに走ったら一番強いのは誰かと考えた。

今回も普通なら、まともに走ったらミラクルレジェンドに決まっている。

しかし、常識的に考えて、ミラクルレジェンドのステップは確実に常識から外れている。

連闘でGⅠ挑戦ならわかる。
逆だ。
GⅠからの連闘。
不完全燃焼だろうが、GⅠの流れで2000mを走れば、それなりの消耗があって当然。
まして一回栗東に戻して、再度の長距離輸送。

どんだけ強いのか知らんけど、ナメとんのか?と普通に考える。
新聞にも、そんな気分を反映したかのような微妙な印が回っていた。

気の毒なことに、そんな気分を反映して自然に中心に祭り上げられてしまったのが、皮肉にも同じ馬主のクラーベセクレタであった。

調教師は今年も派手に勝ちまくる川島のオッサン、鞍上は福島で重賞勝って凱旋してきた戸崎圭太。

今回ついにミラクルレジェンドの鼻を明かす舞台がやって来た!
…ように見えて当然なのだが、あまりにも出来過ぎた祭り上げられ方に、何だか一筋縄ではいかない、とんでもないものを見せられるような予感が頭の隅を掠めていた。


短期免許騎手の引受人、矢野調教師は、リカチャンスの鞍上に笠松の名手東川公則を配してきた。
しかし、主戦が固定しているオープン馬だから、弟子の本橋孝太でよかったんじゃないか?という気がしないでもなかった。

しかしさすがに東川、見事なスタートで無駄なくスーッと抜け出し、ハナに立つ勢い。
川崎の1600は4コーナーからスタートだから、1コーナーまでの距離はたっぷりある。
大外枠から武豊さんとプレシャスジェムズが、リカチャンスを追って並びかけていく。
結構勢いつけて行ってるなぁと思った頃に、カメラの映像は後方へと切り替わってゆく。
しかし、カーブのキツイ川崎だけに、結局コーナリングで普通にリカチャンスがハナに立つだろう。

そう思ってカメラが先頭に切り替わると、なんとハナを切っているのは武豊さんの方だった。
2番手でダメな訳がさっぱりわからない。
府中みたいな緩やかなカーブだったら、外枠からでも徐々にハナに立てるが、川崎で完全にハナの態勢だったリカチャンスを交わしてコーナーを回るなら、相当な脚を一気に使うしかないのだ。

リカチャンスのすぐ後ろに、クラーベセクレタがつけている。
それをマークする形で軽量52㎏を活かしたい内田博のレッドクラウディアが内に、その直後の外目に蛯名正義のスティールパスがつけて、先行馬群の一番後ろに岩田くんとミラクルレジェンドがいた。

直感的に、異様な競馬だと感じていた。
単勝一番人気は、あくまで実績的にミラクルレジェンドの方だったのだ。
しかし、勝負圏内にいる全ての馬がマークしていたのは、クラーベセクレタの方だった。

岩田はレース後にコメントしている。

[ポジションの差が出た。自分から動いていけばよかった]

その通りだと思うのだが…実際はどいつもこいつも、相手はクラーベセクレタ1頭と決めて乗っていた。
一番人気のミラクルレジェンドなんて、誰一人眼中にない乗り方。
だから岩田が自然にあの位置取りになってしまったのだろう。

そしておそらくそれを一番真っ先に実践したのが武豊だったのだ。
謎が解けた。
リカチャンスに行かれて、そのままゆるゆるのペースで番手につけたら、100%クラーベセクレタに勝たれてしまう。
それならと、自分から動いてハナを奪った。
コーナーのキツイ川崎で外からハナを奪い切ったら、勝手にペースは上がる。
2ハロン目の、この100mほどで、後ろの馬が追走に無駄脚を使わされる流れを作った。

普通に乗って着を拾うなら2番手でいい。
勝ち目を残すためにそれを捨てて、一か八か…いや丁半よりもっと低い確率の賭けに出る。

武豊、やはり恐ろしい騎手である。


有力馬が全部前にいるから流れは淀みがない。
ミヤサンキューティから後ろは、隊列からバラけたとか言ってるレベルじゃないほどちぎれていて、ほとんど参加賞状態。
実質6頭立てみたいな競馬になっていた。

ふと見ると、蛯名さんの手応えが半端なく良い。
スティールパス⇒この前書いたばかりのマツクニさんの馬じゃねぇか。
前回牡馬相手にすでにオープンでも目処を立てていたとはいえ、ベストよりも1ハロン長いマイルで、しかも追い込み馬に川崎コースと、手の出しづらい条件が揃った馬でもあった。

しかし、[実質6頭立ての競馬でケツから2番手にいたら、思いのほかテンのペースが上がって流れが向いた]のと同じ状態になっていた。

プレシャスジェムズもリカチャンスも4コーナー回るところまでしっかり粘っていて、クラーベセクレタは前をかわいがりながら、後ろにも警戒して、並びかけつつギリギリの所まで追い出しを我慢していた。
完全に全馬の標的にされ、簀巻きにされた戸崎の苦心の仕掛けだった。

しかし、外目からビュッとまくり上げて来るスティールパスの手応えは、他馬と一桁違っていた。

直線に向くと、クラーベセクレタと併せ馬で2頭が完全に抜け出す。
やはり見るからに手応えが違って、相手をあっさり競り落としたスティールパスが一気に先頭でゴールを駆け抜けてゆく。
スマートロビンでもおなじみ蛯名&マツクニコンビの会心のレースだった。

徹底マークを慎重に振りほどいて、最後抜け出させた戸崎の乗り方は、これ以上なく完璧だったはず。
リカチャンスがハナを切る流れならおそらく勝っていたのはこっちだ。
最も強い競馬をしているだけに惜しまれる。

内目を伸びてミラクルレジェンドが3着。
力から言って、来て当然だろう。
ただ、最後の最後まで終始内からという競馬内容で、特に位置取りに関係なくこれ以上弾けそうな感じは受けなかった。

4着レッドクラウディアは52㎏でこれが精一杯。
現状ではまだ力不足ということだろう。

終始死んだふりの石崎駿ツキノテンシが、儲けもので5着を拾う。
牝馬限定戦ならそこそこ走る所は今回も見せた。


7着リカチャンスも見せ場十分だった。
まさか外からハナを奪いに来ないだろうと、東川が一瞬油断した隙を突かれた結果の2番手、ということだったのかもしれない。

捨て身の技を見せた武豊さんとプレシャスジェムズは、ズルズルと後退して、最後はしんがり負け。
この着順が、一筋縄では済まなかったこのレースの明確な痕跡のように思う。