南インドのゴアはインドのなかでも特別な存在だろう。
1960年代から1970年のヒッピー発祥の地としても名高い。同じような意味で有名なケララ州のコバラムビーチにも行ったけど、狭くて小汚いビーチだったもの
私は南ゴアに滞在したが、アラビア海に面したビーチは長く、お洒落な魚介のレストランが連なり、年末年始には、
夜ごとビーチでパーティで盛り上がるらしいというのは、聞いたものの、広いビーチのどこでパーティーがあるのやら、情報が掴めず出かけることはなかった。
ゴアは16世紀から20世紀半ばまで、ポルトガルの植民地であった。私が泊まったホテルはポルトガル人の屋敷をホテルにしたもので、プール付きの優雅な建物。インターネットで捜したのだが、ホテル専門誌(英語版)にも載っている、結構有名なホテルということがあとで分かった。
部屋数は6つか7つでイギリス人らしきオーナーの家族も住んでいた。ちなみに日本人客は私が初めてということだった。
家具や備品もアンティークで、ブーゲンビリアの咲く庭もあって楽しめるホテルだったが、朝食と夕食がついていて、他のレストランで食べることができず、良し悪しだなあと思ったものだ。
私がりゅうまちの持病を持つようになって、以前のように観光しまくりという旅行は無理になって、一ところに数日滞在でホテルにいる時間も多くなってきた。ホテルも寝るだけではなく、快適ゆったりと出来るところを捜すようになったのだ。
このSiolim Houseの私の部屋で、なんとも驚いたのはトイレだ。写真を添付するが、階段付きで一番上にでんとトイレがノッかっている。トイレに行くのが嬉しくなる!
ポルトガル風の屋敷というのは、トイレが広いのだという。だからホテルにするためにトイレを改装したとき、広さはそのままで、階段を付けたのだという。
このスタイルのトイレは客室のなかでも、私の部屋とオーナーの居室しかないとかで、私が滞在中建築家とかいうヨーロッパ人がトイレを
見学にきたくらいだ。
長くポルトガル領だったためか、カソリックの教会(教会群と修道院が世界遺産)が多く、フランシスコ・ザビエルのミイラがあるという教会もあったので、出かけてみた。
10年に一度だか一般公開されるらしいが、普通は厳重な棺のなかにあるザビエルの遺体は、五体満足かしらと思ってしまう。カソリックのキリスト教徒は聖人の遺体の一部、例えば、指とか髪の毛とかをもぎ取ってお守りにしたりするのよね。
不気味としか思えないけど、信心とは不思議なのだ。
街には、ピンクや赤、ブルーに塗りたくった家や店が多く、それが、なんとも可愛らしく、道も小ぎれいで、インドには付き物の物乞いが見当たらない。街でもビーチでもホテルの周辺でも、ゆっくりと散歩ができる。付きまとわれることがないからだ。
ホテルで聞くと、1月第一日曜日に白亜のパナジ教会(ゴアで最初に建てられた教会)が「3人の賢者の日」の劇を子供たちで行うというので、礼拝に出ることにした。
天使の子が金紙で作った星の冠をかぶり、羊飼いたちは長い杖を持ち、賢者は手にプレゼントを持って、みんな緊張して歩き方がたどたどしい。可愛いくってニタニタしてしまう。
これはキリストが誕生したときに、祝福に来た3人の賢者のことだろうが、この祝いをクリスマスも過ぎた正月にするのは、何故だかは知らない。どなたかご存じの方がおられたら教えていただきたいものだ。
南インドにはキリスト教の教会が多く、ゴアだけでなく、トリバンドラムのビーチでも見たことがあるが、ヨーロッパの教会と違って、キリスト像やマリアの絵なんかが平面的でカラフルでシンプルで、けっして芸術的ではなく、それがすごく和むのだ。
友人のインド人で日本の会社のインド社長という人がいるが、彼の夢はリタイアしてゴアでジャズクラブを持つことなのだそう。それでいて、まだゴアに行ったことはないのだ。世界中仕事で飛び回っていて、行く暇がないのだそうだ。
私は彼に会うたびに、早く夢を実現するようにと云ってやる。私がウエイトレスをやったげるからね。早くジャズクラブを持ちなさいと。
彼は私が使いモノにならないと思ってるのがありありで、いつも困ったような顔をして、なーんにも云わない。

パナジ教会
SIOLIM HOUSEの庭で

モンダイのトイレ